今回は、東京で味わえる長崎県発祥のローカルフード、ちゃんぽんを紹介します。ちゃんぽんは、明治時代中期に長崎市の中華料理店、四海樓で誕生。福建料理である「湯肉絲麺」をアレンジしたもので、豚骨と鶏がらをあわせたスープに、キャベツやもやし、豚肉、魚介類をラードで炒め、そこに太くてやわらかい、独特の食感が特徴の灰汁麺を使用してつくられるものです。長崎ではいたるところで食べられるちゃんぽんですが、東京で美味しいものを食べるとなると、なかなか難しいのが事実。もちろん長崎でも人気のリンガーハットも選択肢として挙げられますが、長崎県民も認める正統派から独自のアレンジが光る個性派まで、さまざまに取材しました。
銀座の長崎料理専門店、「銀座 吉宗」では、ランチタイムに数量限定で「長崎ちゃんぽん」を提供。スープはとろみを感じるほど濃厚ですがそれだけではなく、素材の旨味がたっぷり出て飲み干したくなるほど。具材は季節により異なりますが、海老や帆立、冬場は牡蠣など、魚介が贅沢に入っているのもおすすめしたい理由のひとつ。店の看板メニューである大きな「茶碗蒸し」とのセットも人気です。
葛西の「宝来軒」は、長崎にある同名の人気店で修行を積んだ初代料理長により創業。駅から離れているにも関わらず、しばしばできる行列は美味しさの証と言えます。「ちゃんぽん」は、インパクトのある豚骨ベースのスープが癖になる逸品。歯ごたえのある麺の上には、ラードで炒められた具材が山盛りにのりボリューム満点です。「おろしにんにく」や「柚子こしょう」などの薬味をトッピングすれば、よりパンチの効いた味わいになります。
三軒茶屋にある「來來來」は、長崎出身者の常連客も多く、東京の長崎ちゃんぽんを語る上で欠くことのできない店です。「ちゃんぽん」のスープは薄味で、一口目では少し物足りなく感じるかもしれませんが、優しい味わいが食べるほどに染みわたります。キャベツ、もやし、玉葱、練りもの、海老、いか、豚肉など、具材もシンプルながらひとつひとつがしっかりと存在感を放っています。
この他にも「東京、ちゃんぽん10選」では、東京都内にあるちゃんぽんの名店10軒を紹介しています。ちなみに、長崎ではちゃんぽんや皿うどんを食べるときに、ウスターソースをかけるのが一般的。長崎県民の中でも好みは分かれるが、カウンターにウスターソースが置かれた店では一度試してみてください。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集 五十嵐淳
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