ザ・ペニンシュラ上海は、無線LANを中核としたネットワークシステムを導入する。宿泊客の部屋の入出に応じてフロア担当者の無線IP電話に業務の指示を送るなど、効率的な業務が実現するという。
ザ・ペニンシュラホテルズを運営する香港上海ホテルズは、今秋に開業するホテル「ザ・ペニンシュラ上海」に、無線LANを中核としたネットワークシステムを導入する。IP電話や無線LANを活用したネットワークを整備し、宿泊客に高品質のサービスを提供する。システムの構築を受注したNECが4月30日に発表した。
ザ・ペニンシュラ上海は、ホテルと隣接する高級マンションに設置したサーバ「UNIVERGE SV8500」を導入し、それぞれのネットワークをつなぐ。宿泊者の予約状況や従業員のシフトを管理するサーバとメッセージを配信するサーバを連携し、従業員と宿泊者間の情報伝達をしやすくする。
具体的には、宿泊客のチェックインとチェックアウトに連動して、フロア担当者の無線IP電話機に宿泊客の部屋番号や名前を配信。食事の手配や清掃などが効率的にできるようになる。また、宿泊客がルームサービスや清掃を依頼すると、ホテル側のサーバで管理しているシフトを参照し、時間が空いている担当者に業務指示のメッセージを配信する。
専用サーバのほかに、無線LANのアクセスポイント「UNIVERGE WL1500-AP」2000台、ホテルの従業員が利用する無線IP電話機「UNIVERGE Terminal MH250」220台、IPに対応した多機能電話機「UNIVERGE IP Phone DT700シリーズ」、各部屋に設置する固定電話機を配備する。
ザ・ペニンシュラ上海は、15階建ての宿泊者向けホテル棟と14階建ての居住者向け高級マンション棟の計284部屋、ショッピングアーケードからなる。今回導入する無線LANネットワークは、「UNIVERGE SV8500」を活用したシステムとして中国最大規模になるという。
システム構築を受注したNECは、2007年に開業したザ・ペニンシュラ東京のネットワークシステムも構築している。今回はホテルの設計から参画し、館内の99.9%を網羅する無線LANを設置する。
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