元日の能登半島地震では通信インフラも大きな被害を受けた。道路の寸断や停電の長期化を受け、通信各社は携帯電話通信網の早期復旧に苦戦。一方で新たなノウハウも蓄積されたという。
元日の能登半島地震では通信インフラも大きな被害を受けた。道路の寸断や停電の長期化を受け、通信各社は携帯電話通信網の早期復旧に苦戦。一方で新たなノウハウも蓄積されたという。地震は1日で半年。各社は最新設備の導入や開発を進め、災害復旧の迅速化に取り組んでいる。
「これまでさまざまな災害現場を経験したが、道路の崩壊が一番苦労した点だ」。ソフトバンクの小笠原篤司執行役員は、能登半島地震における復旧作業についてこう振り返った。通常、災害で携帯電話の基地局に被害があった際は車で現地に向かい修復作業を行うが、半島という地形により道路が寸断されると、迂回路がなく、徒歩で現場へ向かうなどしたために復旧作業が長期化したという。
同様の理由で停電も長期化したため自家発電機で基地局を復旧させたが、給油が追い付かないという問題も起きた。これを受け、同社は従来に比べ保持時間が12倍となる、LPガスによる発電システムを追加導入した。このほか、軽量化し持ち運びやすくした可搬型基地局の開発も進めているという。
同社に加え、NTTドコモやKDDI、楽天モバイルも、地上基地局の状況に左右されない、衛星と携帯電話の直接通信の全国展開へ向けた技術開発などを急ぐ。自治体や自衛隊との合同訓練なども強化し、非常時には連携して通信網の維持や復旧の高速化につなげたい考えだ。(根本和哉)
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