工作機械などの専門商社、山善は21日、人と一緒に作業できる「協働ロボット」導入を検討する企業向けに試運転や操作体験のサービスを提供するテストラボを、22日の開設に先立ち報道陣に公開した。
工作機械などの専門商社、山善(大阪市西区)は21日、人と一緒に作業できる「協働ロボット」導入を検討する企業向けに試運転や操作体験のサービスを提供するテストラボを、22日の開設に先立ち報道陣に公開した。JR・大阪メトロ新大阪駅から徒歩圏内に主要メーカー3社の最新ロボットを常設し、従来のラボから面積を約3.5倍に広げた。同社はラボへの来場を通じ、令和6年度の協働ロボット受注数を前期比約1.4倍に拡大することを目指す。
308.65平方メートルの広さに台湾のテックマンロボットやスイスのABB、国内メーカーであるファナックの3社、計7台の最新ロボットを常設する。同社によるとテストラボは自社製品だけを用意したメーカーの施設が多く、主要メーカー複数社の最新ロボットを比較しながら試せる施設は全国でも珍しいという。
3D(立体)プリンターでロボットが物をつかむ爪や補助器具を作るなどし、実際の作業に近い状態で試運転できるテストルームや、プログラミング・操作方法を学ぶトレーニングルームの個室を用意。これまで同社は市内の本社内にラボを併設していたが、利用企業の機密を担保するうえで欠かせない個室がないのが課題だった。
協働ロボットは必要な動作を記録するプログラミングが容易で、組み立てなどの柔軟な作業にも対応できることから、人手不足解消や生産性向上を目的に需要が急増している。民間調査会社の矢野経済研究所によると2023年における世界のメーカー出荷台数は6万2530台。24年は前年から約1.5倍を見込み、33年は68万1021台と23年比で10倍超に拡大すると予測する。
山善の担当者は「(接触事故などを防ぐために)産業用ロボットで求められる柵で囲う必要がなく省スペースで運用が可能で、人と同じスペースで安全に作業できる利点は大きい。これまで大手企業が先行していたが、中小企業でも導入が広がっている」と話している。(田村慶子)
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