大阪メトロの河井英明社長は26日、令和10年に大阪・森之宮地区に開業する新駅にスカイドライブが開発を手掛ける「空飛ぶクルマ」の発着場を整備し、同年からの商用運航開始を目指す方針を明らかにした。
大阪メトロの河井英明社長は26日、令和10年に大阪・森之宮地区に開業する新駅に「空飛ぶクルマ」の発着場を整備し、同年からの商用運航開始を目指す方針を明らかにした。当初は遊覧飛行などを想定しているが、将来的には発着場を増やし、複数地点間の輸送も行う。大阪メトロは10月1日付で、関連事業の開発に向けた専門組織も社内に立ち上げる。
大阪メトロは26日、空飛ぶクルマの開発を手掛けるスカイドライブへの出資を発表。その記者会見で、両社で商用運航計画を進めることを明らかにした。河井氏は「地下、地上、空が一体の、あらゆるニーズに対応した交通インフラを整備したい」と意気込んだ。
森之宮の新駅には駅ビルなども建設される計画で、発着場はビル屋上への設置も検討されている。将来的に森之宮以外の発着場の整備も進め、複数の地点を結ぶ移動サービスも提供する。
大阪メトロはまた、空飛ぶクルマ関連の事業開発に向けた専門組織も社内に立ち上げる。規模は約10人を想定。社外の専門家なども招(しょう)聘(へい)する。
大阪メトロによるスカイドライブへの出資額は非公表だが、今後、空飛ぶクルマを活用したビジネスモデルの検討などを共同で進める。大阪メトロが整備する発着場の利用に関し、大阪メトロはスカイドライブだけでなく、空飛ぶクルマの開発・運営に携わる幅広い企業に呼びかけるという。
スカイドライブは2025年大阪・関西万博で当初、空飛ぶクルマの商用飛行を目指していたが、安全性などの観点からデモ飛行を行う方針に変更している。
スカイドライブの福沢知浩最高経営責任者(CEO)は会見で、「森之宮の新駅開業までには(安全基準に適合していることを示す)型式証明を確実に取得したい」と語った。
スカイドライブはこれまで、近鉄グループホールディングスから出資を受けるなど、複数の鉄道会社と連携している。(黒川信雄)
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