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第36回:転職活動で採用側をしらけさせる、ミドル・シニアの自己PRマネジメント力を科学する(2/2 ページ)

ミスマッチのポイントを見逃したまま入社してしまったり、あるいは採用してしまうことがないように、転職する側としても採用する企業側としても、より個人の棚卸やプロファイルに目が行くだろう。

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まずは自分のことだけを考えて突き進む

 これからミドル・シニアの皆さまがどうしていけば良いか。

 自分の大切な人生ですから、できるだけ充実したものにしてほしいですし、最後に仕事を終える日に「これだけ働いてきて良かったな」と思えることがすごく大事です。そこに向けて悔いがないようにするには、あまり人の目を気にしたり、マクロがどうとかではなくて、まずは自分のことだけを真っすぐに考えて、突き進んでほしいなと思います。

 私はけっこう楽観しています。今、どんどん良いほうに向かっているなとすごく感じています。

 総じて言うと、ミドルやシニアのみなさんを活用したいという声が広がっているのは事実です。ただ、先にお話した通り二極化しているので、あえて言えば、求められる側のほうに、皆さま自身で回ってほしいなと思うし、どう回ればいいのかを、今回話しました。

 プロジェクトマネジャーとか、起業家のように働くというメッセージがありましたが、厳しい言い方をすれば、どの会社も課題は山積なわけです。

 でも、そういう課題があるということは、解決する余地がたくさんあるということなので、そこに対して皆さま自身でテーマを決めた上で、「よし、これで解決しよう」と取り組んむと、すごく良い成果を出しやすいと思います。

キャリアを考える出発点は「いったい自分は何者なの?」と問うこと

 そんなふうに皆さま世代が取り組むと、すごく会社もモードアップしますし、転職ということで言えば、僕がつき合っている経営者は、そういう人をやはり求めています。

 現職の中でのトップも同じだと考えます。だから現職であれ転職であれ、皆さまがワクワクしながら、チャレンジテーマを決めて取り組めば、物事は少しずつでも進みますし、その中で大きく化けるものも出てくるとはずです。

 そんなことをやっていると、けっこう日本が元気になるんじゃないかと思うし、起爆剤になる世代だと思うんですよね。あまりたそがれずに(笑)、黒田さんが言ったとおり、有限である時間を大切に使ってください。

 キャリアを考える時に、若い人だけじゃなくてミドル・シニアも「いったい自分は何者なの?」と問うのが出発点です。

 結局ワークライフバランスじゃなくて、ワークライフインテグレーション(仕事とプライベートの双方が相乗するという考え方)ですから、仕事をどう考えるかの話じゃないと思うんですよね。

 いかに人生と統合して、「いったい自分はどんな人生を送りたいのか」と考えてみてください。あなたは主役であり脚本家で、他の何人たりとも代替できないので、(キャリアは)自分で決めるしかないし、自分でやるしかないわけです。

 自分のこれからの人生の話という自覚を強く持って、自分自身を、これからのキャリアを矮小(わいしょう)化しないでください。今日はあなたの人生の一番若い日ですから、まだあらゆる可能性があるんじゃないでしょうか。少しでもそれを考えるきっかけになったら幸いです。

著者プロフィール:井上和幸

株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEOに

早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、現リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。2021年、経営人材度を客観指標で明らかにするオリジナルのアセスメント「経営者力診断」をリリース。また、著書には、『社長になる人の条件』『ずるいマネジメント』他。「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日経産業新聞」「週刊東洋経済」「週刊現代」「プレジデント」フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「WBS」その他メディア出演多数。


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