ビジネス環境が目まぐるしく変化する中、多くの企業では業務効率化といった従来のような考え方ではなく、外に目を向けた戦略的なIT活用を実践しつつある。そうした顧客に対してNTTデータは「2つのIT変革」をもって支援するという。
二番底もささやかれる厳しい経済環境の下、企業のIT部門には、ITコスト削減と同時に、経営に直接的に貢献し得る「ITによる変革」が要請されている。1月29日に都内で開催された「NTTデータ イノベーションカンファレンス 2010」(主催:NTTデータ)の主催者講演には、NTTデータ代表取締役社長の山下徹氏が登壇。「Innovation by IT」と、「Innovation of IT」という2つのIT変革を提供することで顧客企業のIT変革を支援していくという同社のビジョンを、それを具現化する技術、製品、サービスとともに紹介した。
ITをてことして顧客に変革を提供する「Innovation by IT」と、ITそのものを変革することによって顧客に付加価値を提供する「Innovation of IT」――大手SIerのNTTデータが現在、「2つのIT変革」にフォーカスする背景として、山下氏は、現在の企業を取り巻く環境変化の特徴を3つ挙げて説明した。
1つ目は、環境変化の幅が大きく、スピードも速いという点である。山下氏によれば、マイナス成長の幅とスピードが大きく、速くなっているのがGDP(国内総生産)の変化から明らかで、製品ライフサイクルの短縮についても、そうした傾向が見られるという。
2つ目はグローバル経済の変化である。日本を代表する電機メーカーや自動車メーカーがすでに海外での売り上げが国内の売り上げを上回っているのは周知だが、ここにきて展開先の海外市場が大きな広がりを見せている上、本社、製造拠点、販売拠点の関係も複雑化している。
「グローバル化と一口に言っても事情はかなり複雑になってきている。日本のグローバル企業の多くが、米国、欧州のような従来の主要市場だけでなく、中国をはじめとするアジアや南米、ロシアといった広範な市場でビジネス展開を始めている。しかも、単に日本からの輸出という1対nの関係よりも、今では日本企業がアジアの拠点で生産した製品を欧州で販売するといったn対nの関係が一般化しつつある」(山下氏)
3つ目の変化として山下氏が挙げたのは、さまざまな業界におけるビジネスモデルのパラダイムシフトが加速化している点だ。同氏はこのように話す。「コンビニが売上高で百貨店を追い抜いたというのは小売業におけるパラダイムシフトの端的な例だが、ネット通販がここ数年で急成長していることから分かるように、もはやリアル店舗同士の競争だけではない。今もなお進展中のデジタル革命は、250年前の産業革命以来の技術革新を生み出しているのである」
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明治学院大学 経済学部准教授