考える力を継続的に育むことが、何を生み出すにおいても要である。考えることがなぜ大切なのか? その状況を確保するためにはどのような方法があるのか?
この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。
この要約書から学べること
経営コンサルタントであるダニエル・パトリック・フォレスターは、考える時間を作れば、人はより良い結果を出せると主張しています。フォレスターは、武力紛争や災害救助などさまざまな強烈な分野で活躍する人々を例として取り上げ、熟考する時間を見つけなければならない理由を説明しています。
また、難解で大切な問題について考える時間をなんとかして作りだす方法を教えてくれています。難しい問題を解決しなければならない、組織文化を作りなおさなければならない、あるいは、単純に考える時間を作らなければならないという人に、フォレスターのアイディアをお薦めします。
人は、目的を達成したいと願うとき意識的であれ無意識であれ、必ず行動を起こします。そこには、心理学的側面の一連にある「思考」と「感情」と「行動」のバランスが大きく関係し、一般的にはこの3つのクオリティ水準が高度であればあるほど望ましい結果を手に入れるものとされています。
もっとも現代社会では、急激なインターネットの発展とともにあらゆる目的を時間短縮で獲得することが可能となりました。しかし時間短縮で目的に到達するには、デメリットが大きく生じてくるのも事実です。そして、情報の質、量、スピードに順応しようとすればするほど、このデメリットという渦の中に入り込んでいくことも否定できません。
この「情報」の取り扱い方について、考え方や優先度を間違えば大きな混乱を招くこととなり、特にビジネスに於いては、大幅にモチベーションを損なうという結果につながります。これが、もし経営を管理する立場にあるならばこのように情報にコントロールされっぱなしでは会社に大きなダメージを被ることとなるでしょう。極論でいうならば、考える力を継続的に育むことこそが、何を生み出すにおいても要であるといえます。考えることがなぜ大切なのか?その状況を確保するためにはどのような方法があるのか?
本書「考える力」はこの管理方法の優れた策を非常に分かりやすく解説しています。人類の掲げた唯一無二の文化である考えるということの重みを改めて理解し、実践できる本書をすべてのビジネスマンに是非ともお薦めします。
現代の社会と生活の中では、情報爆発が起こっています。これはつまり、個人のレベルで見てみると、人は今までよりも長い時間仕事し、「過剰な情報」によって苦しめられていることを意味します。人は今までよりも社会とのつながりを持つようになりましたが、そうして手にしたすべての情報をふるいにかけ、意味を見出すことはより難しくなっています。
社会のレベルで見れば、メキシコ湾の石油掘削施設、「ディープウォーター・ホライズン」の爆発事故などの有事が発生した時に実行可能な解決策を見つけるには、有益な対応を取ることと、膨大な時間をかけて熟考することの両方が求められます。また、自分の仕事や生活の中で危機や問題が発生した場合、似たような状況に陥ります。
自分の周りで巻き起こるジレンマを解決するために、行動しなければならなくなります。しかし、本当に必要なことは、考えることです。ですが、そのような時に人は考える時間を持つことができません。考える代わりに、「注意力、妨げ、情報、意味」を繰り返し手にしたり手放したりし続けます。そして、自分が正しいものを手にしているのか疑問に思う機会すら、ほとんど得られません。
このような環境では、「行動への偏り」が生まれます。かつて、ビジネス思想家はこれを好ましい現象だと見なしていました。しかし、多忙を極め、考える時間が取れない状況では、行動を促す行為は危険なものになります。行動を取るためのエネルギーがますます必要になっている中、その必要性を計るためには、個人と組織の両方のレベルにおいて、考える時間を確保することが重要です。熟考する時間を取るには、自制とよく考えられた手順が必要です。考える時間を取ることで、仕事上の本当の目的と目標に合致した行動を取ることができるようになります。
仕事に就いて、まだまだキャリアの浅い頃、先輩や上司のテキパキとしたビジネススタイルには、憧れを抱いたという経験があるのではないでしょうか。誰もがこの仕事を走らせながら解決していくというクリエイティビティな雰囲気には魅了されるのもの当然です。しかしながら、そこにはじっくりと問題と向き合ったり遂行に至るまで時間を作り対峙するということが皆無に等しいということが分かります。つまり腰を据えて考えるというスタイルの欠片もないのです。
ここで重要なのは、いかに「ながら仕事」が無益の骨頂であるかということと、自分の行動をふかん的に見つめることです。プレッシャーが労働価値を生み出すスパイラルから脱却するためにも次のデータ検証を詳しく見ていきましょう。
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早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授