ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
実行に効く計画の技術(1/2 ページ)
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まずは、ハイテク家電メーカーの新任課長、鈴木さんを例に、マネージャの計画業務を考えてみましょう。
鈴木さんは今年、課長に昇格しました。マネージャとしての最初の仕事は、担当する商品領域の予算計画の作成です。彼は前任者の計画を参考にして今年度の予算計画を立てました。ところが半年後、彼の目標は達成不可能な状況に陥ってしまったのです。
事業部長:「君は今の状況をどう考えているのかな? いったい何がいけなかったのかね?」
鈴木:「わたしは普通に計画を立てました。景気の影響で、市場ニーズが変化してしまったのです」
事業部長:「ほう、君は市場ニーズの変化を予測できなかったわけだ。では聞くが、君は市場をどう予測し、何を根拠に予算計画を立てたのかね?」
鈴木:「予測というか……前年度の実績に基づいて前年比10パーセントの成長を見込みました」
事業部長:「これまでの成長は、景気上昇に引っ張られてのものだったが、今回はそうはいかなかったわけだ。10パーセントの成長に向け、君はどのような行動をとったのかな?」
鈴木:「春先に新商品を発売しました。これが売上アップに貢献するはずでした。ところが景気の後退で思うように売り上げが伸びず……」
事業部長:「わたしが聞きたいのは、新商品の発売後、売り上げを伸ばすために計画していた何かだ。活動計画の内容とその結果を知りたい」
鈴木さんは言葉を失いました。
なぜなら鈴木さんの予算計画は、単なる数字の羅列でしかなかったからです。それは、地域を縦軸に、商品群を横軸にとり、数字を割り振ったにすぎないものでした。地域担当者と話し合って決めた数字ではありましたが、話し合った内容は手帳にメモとして残っているだけ。そもそも、活動計画など、立てていなかったのです。
鈴木さんの計画は、いわゆる「計画することが目的の計画」です。しかし本来、計画とは、目標を達成するために立てるものなのです。
すべてのビジネスは、目標を達成するための活動です。そして、その活動は、計画と実行に分かれます。計画と実行、このどちらに着目するかによって、皆さんの行動は全く違ったものになります。
計画が間違っていたら、実行段階で修正するしかありません。計画に積み残しがあれば、実行に何倍もの時間をかけてやり遂げるしかありません。計画で決めた内容が不十分で実行に右往左往するようでは、実行する側はそれだけで疲弊してしまいます。計画が大雑把すぎれば、担当者は勝手に都合のいい解釈で行動してしまい、収集がつかなくなってしまいます。実行力も大切ですが、計画力がお粗末なままでは、その実行力さえ削がれてしまうのです。
スポーツやものづくりに「技術」があるように、計画には「計画の技術」があります。計画の技術には、計画の種類は関係ありません。これは、プロジェクト計画にも、事業計画にも、イベント計画にも共通に使える技術なのです。
難問を攻略するとき、よく「外堀から埋める」という作戦を取りますが、計画も同じです。思いついた端から攻めるのではなく、計画すべき対象の全体像を把握し、計画のポイントを整理するのです。いわば、計画のための計画です。「計画の技術」の8割は、この「全体計画」に関するものです。全体計画さえきちんと押さえることができれば、そのあとの詳細化はうまくいきます。
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