国内最大級の規模を誇る共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティングは、会員から日々寄せられる問い合わせに対し、効率よく的確に回答できるよう人工知能(AI)を活用した新システムを導入した。
国内最大級の規模を誇る共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティング(東京都渋谷区)は、会員から日々寄せられる問い合わせに対し、効率よく的確に回答できるよう人工知能(AI)を活用した新システムを導入した。
ホームページに掲載した検索機能付きのFAQ(よくある質問)と電話で対応しているが、昨年6月の新しいFAQシステムなどの導入を経た会員アンケートでは、問い合わせの自己解決率が導入前と比べて5.9ポイント改善。電話対応スタッフの削減につながった。
提携社数の増加などで、延べ1億人超に上るポンタ会員の問い合わせ内容は年々複雑化。従来のFAQシステムでは検索キーワードを記入しても回答にたどりつけないことが多く、電話をかけてきた会員の半数以上がFAQで調べた上での問い合わせだったという。
検索精度の向上が喫緊の課題となる中で導入した新システムは、よく検索されるキーワードをAIが表示したり、関連性の高いQ&Aを自動表示したりする。FAQとは別にAIを使ったチャットボット(自動会話プログラム)も導入。キーワードだけでなく、より質問の意図をくみやすい自然な文章で質問を受け付けられるようになった。
AIがシステムのメンテナンスも補助するため、担当スタッフへの負担も大幅に減少し、コストを2割程度も削減できたという。
同社スマートファシリティ推進部の星山昌之部長は「負担が減ったことで余力が生まれ、寄せられた会員の声に対する感度が上がった。今までよりも適切なタイミングで対応できるようになった」と意識の変化が生じたことを明かした。
今後はさらなる改善を目指し、質問を受けて適切な回答文を自ら作り出せる生成AIの活用も視野に入れる。(福田涼太郎)
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