文化庁は17日、令和5年度の「国語に関する世論調査」の結果を発表した。
文化庁は17日、令和5年度の「国語に関する世論調査」の結果を発表した。「ときめきを感じる」という意味の「きゅんきゅん」、「曖昧ではっきりしない」様子を表す「ふわっと」したなどの新しい表現が日常に浸透している状況が分かった。月に1冊も本を読まない人の割合は過去最高の6割超となり、デジタル化に伴う読書離れの進行も浮き彫りになった。
調査は国語への理解を把握し、関心を高めるため、平成7年度から毎年実施。今回は今年1〜3月に16歳以上の男女3559人から回答を得た。
新しい意味が辞書に記載され始めた「きゅんきゅん」は80.6%、「ふわっと」は75.6%が他人が使うのが気にならないと回答。そのほか、「さくっと」(時間や手間をかけない)、「もふもふ」(動物などがふんわりと柔らかそう)、「がっつり」(しっかり)なども8割超が違和感を覚えていなかった。
月に1冊も本(電子書籍を含む)を読まない人の割合は62.6%。このうち75.3%は、ほぼ毎日、インターネットや交流サイト(SNS)で文字情報を読むと答えた。
辞書に掲載された本来の意味と異なる使い方をされるようになった慣用句も、国語に関する世論調査で明らかになった。
「悪運が強い」を「悪い行いをしたのに、報いを受けずにいる様子」という本来の意味で使っていたのは24.3%。67.2%は「悪い状況になっても、うまく助かる様子」と理解していた。
「失笑する」を本来の「こらえ切れず吹き出して笑う」ことだとしたのは26.4%にとどまり、67.0%は「笑いも出ないくらいあきれる」と答えた。「煮え湯を飲まされる」は68.5%が本来の「信頼していた者から裏切られる」だと回答。「敵からひどい目に遭わされる」との意味で使った人は24.4%だった。
言葉の言い方にも変化がみられる。「間、髪を入れず」(間を置かずに)、「綺羅(きら)、星のごとく」(地位の高い人などが多く並ぶ)を辞書通りに区切って使う人は、それぞれ6.5%、9.2%と1割に満たなかった。「間髪を入れず」(91.0%)、「綺羅星のごとく」(88.6%)と続けて言うことがほとんどだった。
今回の調査では、月に1冊も本を読まない人の割合が62.6%と過去最高になり、読書離れの深刻化を印象づけた。「読書量は以前に比べて減っている」とする回答は69.1%と平成30年度の67.3%から1.8ポイント増。20年度の64.6%からは4.5ポイント増えている。
読書量が減っていると答えた人に理由(複数回答)を尋ねたところ、「情報機器で時間が取られる」が43.6%で最多、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が38.9%と続いた。
30年度調査では、この2つの理由はそれぞれ36.5%、49.4%。今回は逆転し、デジタル化が影を落としている状況がより鮮明になった。本の選び方も「インターネットの情報を利用して選ぶ」が33.4%となり、30年度の27.9%から大きく増えていた。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授