特定の観光スポットに集中しがちな外国人観光客を市内のさまざまな場所へ回遊させることや、高齢市民の日常の足としての活用に向け早期の実用化を目指す。
山梨県富士吉田市は30日、自動運転の電気自動車(EV)バスを公道で運行する実証実験を報道陣に公開した。同市が導入したEVバス1台を活用し、観光客に人気の市内中心部を走る通称「富士みち(本町通り)」などを周回する。特定の観光スポットに集中しがちな外国人観光客を市内のさまざまな場所へ回遊させることや、高齢市民の日常の足としての活用に向け早期の実用化を目指す。
実証実験は2月末まで行う。市役所から富士急行線の下吉田駅近くや富士山駅、さらには富士登山道の入り口でもある北口本宮冨士浅間神社を通って市役所に戻る1周約7キロのルートで1日6便を運行する。公式ウェブサイトから無料の試乗希望者を受け付けている。
今回活用する自動運転バスはティアフォー社の16人乗りの「Minibus2.0」。オペレーター1人が乗車して状況に応じて操作する「レベル2(部分的自動運転)」で運行するが、将来的には特定条件下での完全自動運転のレベル4にも対応できる。高精度センサー、信号の色を認識できるカメラなどを搭載している。
試乗した同市の堀内茂市長は「人間が運転するよりも安心感、信頼感は高い」と話す。さらに「できれば1年以内に今回の車両、コースで実用化したい。それから台数を増やし、市内だけでなく(近隣の)富士河口湖町などを含めた富士北麓地域全体に導入していきたい」と、地域交通機関の運転手不足への対応を図っていく考えを示した。
同市では、令和5年に市内約2キロのコース、令和6年に富士山の5合目までを結ぶ「富士スバルライン」で、自動運転EVバスの実証実験を行っており、今回が第3弾となる。
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