「SAPPHIRE '07 Miyazaki」が10月29日、宮崎のシーガイアで開幕し、お昼過ぎに始まった基調講演には、SAPのカガーマンCEOと「オンリーワン経営」で知られるシャープの町田勝彦会長が登場した。
「多様なイノベーションをもっと簡単に」── エンタープライズアプリケーションの雄、SAPを率いるヘニング・カガーマン会長兼CEOは、同社が提唱する「Business Process Platform」(BPP:事業の基盤となるソフトウェア)と、それをいち早く実現している「SAP ERP 6.0」を売り込んだ。
SAPのユーザーカンファレンス、「SAPPHIRE '07 Miyazaki」が10月29日、宮崎のシーガイアで開幕し、お昼過ぎに始まった基調講演には、SAPのカガーマンCEOとシャープの町田勝彦会長が登場した。
カガーマンCEOは基調講演のテーマとして、今年のSAPPHIREカンファレンスのテーマでもある「Business at the speed of change」(顧客のビジネスのスピード感でイノベーションを実現)を取り上げた。
「企業を取り巻く環境は大きく変化しているが、中でも“消費者パワーの増大”と“変化の加速”が2つの大きな潮流であり、企業は対処を迫られている」とカガーマン氏。
消費者のパワーが増大するのに伴い、消費者の求めるものが、単なる製品からソリューション、そして“体験”へと変化している。もはや1社で顧客が求める体験を提供することは難しく、社員、サプライヤー、顧客、およびパートナーらからなる「Business Network」を最適化し、共同でイノベーションを実現していくことが欠かせなくなる、とカガーマン氏は指摘する。
「Business Networkを変化に対応させていくことが、競争優位の源泉となる」(カガーマン氏)
SAPは2003年、新しい統合のパラダイムとして、SOA(サービス指向アーキテクチャー)をエンタープライズレベルに引き上げるエンタープライズSOAを発表し、翌2004年には、それを実現するSAP NetWeaverを市場に投入した。この2007年には、SAP ERP 6.0だけでなく、PLM、SCM、SRM、およびCRMといったすべてのSAP Business Suiteが、エンタープライズSOA対応となって出そろう。
今さら言うまでもないが、企業を取り巻く環境の変化はますます加速している。「4分ごとに新製品が生まれ、16分ごとに合併・買収が起こっている」とカガーマン氏。もはや、基幹業務システムのアップグレードに伴うビジネスの中断は許されない。
ひと足先にNetWeaverを核としてBPPを実現しているSAP ERP 6.0では、アップグレードは機能強化パッケージとして小刻みに提供され、個々の新機能を実装するかどうかはユーザーの選択に任されているが、2008年からはSAP Business Suite全体に対して機能強化パッケージが提供されるようになる。安定したコア上でSAP Business Suiteの継続的なイノベーションが可能となるわけだ。
もちろん、BPPでは、SAPのエンタープライズサービスや非SAPのアプリケーションの機能を組み合わせて、新しいコンポジットアプリケーションを開発することによって、さらなるイノベーションも促進できる。また、NetWeaver 7.1では、BPM機能も搭載され、モデリングによる「見える化」も実現できる。
SAPのユーザー会であるJSUG(Japan SAP Users' Group)の調査によれば、向こう2年以内にSAP ERP 6.0への移行を計画しているユーザーは62%に達しているという。基調講演後のプレスQ&Aでカガーマン氏は、「予想を上回る素晴らしい数字だ」と満足げに話した。
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