どの局面でどうデータを活用するか、それが問題だBusiness Objects Insight Japan 07 Fallレポート(2/2 ページ)

» 2007年11月08日 08時53分 公開
[堀哲也,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 CPMは、もともと財務分析の観点から発祥した考え方で、予算計画や予実の管理、予測といったプロセスや方法論、それを支える情報システムを含んだ管理体系といえる。もちろん財務にかかわるものだけでなく、企業のヒト・モノ・カネといったリソースをデータの分析と活用で最適に配置しようということを狙っている。「いわば、ERP+BI=CPMという側面もある」という。

組織的なデータ活用サイクルの取り組み

 CPMへとつなげるには現状とは大きなギャップがあるのも確かだ。その差を埋めるためにも、BIを導入したらそれで終わりにするのではなく、現場が情報を活用し、発見と探求を繰り返す試行錯誤のループを根付かせることが大切だ。

 ビジネスインテリジェンス・コンピテンシーセンター(BICC)と呼ばれる組織が企業のデータ活用において注目されているが、組織的な取り組みによって支援していく必要があることに企業は気づきはじめている。

 「分析、IT、ビジネスという3つスキルを1人の人間が持っていることはまれ。組織的にやる必要がある」と堀内氏は言う。

キム・ジョンジン氏 POSDATAで韓国の鉄鋼メーカーPOSCOの分析系システムを担当するキム・ジョンジン氏

 韓国の鉄鋼メーカーPOSCOも分析系のシステムに課題を抱えていた。「エンドユーザーからBIに対する不満が上がっていた」と、同社の情報システムを担当するPOSDATAの情報システム部マネジャーのキム・ジョンジン氏は話す。

 この課題の解決に向け、第4世代の分析システムへの移行に合わせ、利用するユーザーのレベルを再定義し、データから現場の改善テーマを顕在化させるプロセスを見直したという。また、サポートグループを組織し、24時間365日体制で、現場のユーザーを支援する枠組みを構築。BIに関する用語辞典も整備した。

 これにより、これまで単なるレポーティングツールとしてしか利用していなかったほとんどのユーザーが、本来の業務の分析のために活用するようになってきている、という。

 「キーワードはユーザー中心のインテグレーションだった。十分に定義されたプロセスとトレーニング、サポート、効率的なシステムがあって良い流れができてきた」(キム氏)

関連キーワード

BI | CIO | ERP | 顧客満足


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆