ガートナージャパンは「エグゼクティブ・プログラム(EXP)」で実施した2009年の課題に関する調査結果を発表した。同社は「ITコスト削減ではなく、ITを活用したコスト削減が必要」と提言している。
ガートナージャパンは3月18日、「エグゼクティブ・プログラム(EXP)」で実施した2009年の課題に関する調査結果を発表した。世界48カ国の1500人以上のCIO、日本からは61人のCIOが回答した。調査結果からガートナーは「ITコスト削減ではなく、ITを活用したコスト削減が必要」と提言している。
調査によると、日本のCIOが重視することとして、「既存顧客との関係強化」が2008年の4位から2009年はトップになった。グローバルでは08年が9位、09年も7位にとどまっており、日本特有の傾向となっている。
グローバルでのトップは5年連続で「ビジネスプロセスを改善する」だった。日本では08年に1位になったが、09年は4位に退いた。
日本とグローバルの両方で順位が高かったのは「企業コストを削減する」で、ともに2位に入った。日本ではトップテン圏外からの急上昇、グローバルでは08年の5位からのランクインだった。ガートナーは、景況悪化の中で経営トップがCIOやIT部門に、単純なITコスト削減ではなく、企業や組織全体のビジネス構造を見直し、コストを低減する役割を期待しているようだと分析している。
テクノロジー面の優先順位は、日本では「サーバおよびストレージ技術(仮想化)」が1位、グローバルでは3位だった。グローバルの1位は4年連続で「ビジネスインテリジェンス(BI)」。BIが根付かないといわれた日本でも2位に上がった。2007年の9位、08年の3位から着実に上昇している。
その他、SOA(サービス指向アーキテクチャ)がグローバルの9位に対して日本は4位、クラウドコンピューティングが圏外から日本で10位に入った。クラウドコンピューティングについては、メディアが報じるほど注目度は高くないようだ。
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