Sunが主催する開発者、技術者向けイベント「JavaOne」の前夜祭ともいえる「CommunityOne West」が開催された。現地のサンフランシスコからその熱気をお届けする。
6月に入ったものの肌寒い気候が続く米国のカリフォルニア州サンフランシスコ。最低気温はいまだひとケタ台で、街中ではコートを羽織ながら足早に通勤する人々も目に付く。
当地において米Sun Microsystemsは6月1日(現地時間)から、開発者および技術者に向けたイベント「2009 CommunityOne West Conference」を開催している。今年で3回目を迎える同カンファレンスは、基調講演やセッションで最新技術などを紹介するほか、パビリオン(展示館)では開発者やユーザーなどの交流も行われる。翌6月2日から始まる「JavaOne」の前夜祭的な位置付けと言えるだろう。元々はJavaOneの前日はNetBeans Dayのみの開催だったが、それが拡張されて現在の形になったという。
会場となったモスコーンセンターに設けられたパビリオン付近には、「CommunityOne」「Open」「Inovate」などと書かれたバルーンが至るところに打ち上げられており、来場者はバルーンのひもに自由にメッセージを付けられる。願い事を書いたものや、中には「Where is my pillow?(わたしの枕はどこ?)」という徹夜続きの開発者の気持ちを表現したユニークなものまで。また、北ホールと南ホールをつなぐ通路にはPC端末が並んでおり、参加者は受付時に発行されたIDカードを差し込めば自由に電子メールやブログなどを利用できる。
ところで、米OracleによるSun買収の影響により来年以降のJavaOne開催について気になるところである。例年だとカンファレンス会場入口の裏手に翌年のスケジュールが大きく掲げられているのだが、今年は見当たらない。「JavaOne最終日の基調講演に登壇する(同社フェローでJavaの生みの親である)ジェームズ・ゴスリング氏から何らかのメッセージがあるのでは」(関係者)との憶測もある。今年は最後まで目が離せそうにない。
CommunityOne初日の基調講演では、Sunのシニアバイスプレジデントであるデビッド・ダグラス氏およびCTO(最高技術責任者)のルー・タッカー氏が登壇し、同社のクラウドコンピューティング戦略について展望を語った。同社は今年3月にJavaやMySQLなどの技術をベースにしたオープンクラウドプラットフォーム「Sun Open Cloud Platform」を発表したほか、今夏にはパブリッククラウドサービス「Sun Cloud」の投入計画を予定している。今回も改めて概要が説明されたほか、Sun Cloudのアーキテクチャの中心となる仮想データセンター技術「Virtual Data Center(VDC)」のデモンストレーションも行われた。VDCではドラッグ&ドロップにて構築済みのコンポーネントからアプリケーションを設計、管理し、そのままクラウドへ適用できる。
新たに顧客のクラウド構築を支援するサービス「Sun Cloud Strategic Planning Service」も発表した。同サービスはビジネス、組織・文化、技術、IT環境の4つの領域から顧客のパブリッククラウド、プライベートクラウドの双方を評価する。
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