「まるごとKDDI」を支えるデータウェアハウス、Hadoopとの連携でより細かな顧客分析へTeradata PARTNERS 2010 Report(2/2 ページ)

» 2010年10月27日 09時15分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 KDDIの新しい情報系システムでは、夜間のバッチ処理によって前日のデータをTeradataに取り込んで分析、各種データマートを生成している。毎日朝7時30分から社内ユーザーのオンライン検索が始まり、これが夜10時まで続く。現在、3400人以上のユーザーがこのオンライン検索基盤にアクセスし、日々の営業や顧客サービスに役立てている。利用形態は販売支援からレポーティング、テレマーケティングなど多岐にわたるが、筒井氏は固定通信、移動体通信、そしてブロードバンドをコンバージェンスさせた、いわゆる「FMBC」ビジネスを支援する例を挙げて紹介した。

 音楽ダウンロードやスポーツ関連コンテントを利用しているビジネスウーマンが住所変更のために来店したとする。これまではお店のスタッフも次々と発売される機種や新しいサービスを把握することに忙殺され、しかも短時間では効果的な提案が難しかったが、新しく統合された情報システムのおかげで、例えば、健康管理サービス(au Smart Sports Karada Manager)を勧めたり、新しい機種への変更を割引して提案したり、さらには新しい住所が光ブロードバンドサービスの対象エリアであれば、まとめてお得なサービスを提案することもできるようになる。

 「SASによるデータマイニングの活用も進めば、同年代で同じ嗜好の女性が望むサービスを効果的に提案することもできる」(筒井氏)

HadoopとTeradataの連携も視野に

KDDI情報系システムの将来(クリックで拡大)

 今年のPARTNERSでは、「データのソーシャル化」が強調された。Teradataのようなエンタープライズデータウェアハウスに蓄積することが難しい大量の「Big Data」も分析し、新しいインテリジェンスを得ることが、いずれ企業の成功のためには欠かせなくなる。KDDIの取り組みも早く、分散並列処理のためのMapReduceフレームワークや、そのためのプラットフォームであるHadoopに着目、コンテント系ビジネスの利用状況によってWebサーバから吐き出される大量のログデータを蓄積して、統計を取っている。データ量は2ペタバイト、処理するIAサーバは300台に上る。

 「将来は、ログの統計結果をTeradataに取り込み、さらにSASでデータマイニングし、より細かくユーザーの行動を予測したい」と筒井氏は話す。

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