「Teradata PARTNERS 2010」で現地時間の10月26日朝、KDDIが事例セッションを行い、固定通信、移動体通信、および光ブロードバンドを組み合わせて利便性の高いサービスを提供する「まるごとKDDI」と、それを支える情報系システムの取り組みを紹介した。
カリフォルニア州サンディエゴで開催中の「Teradata PARTNERS 2010」は今年で25回目を数え、1979年にガレージで産声を上げたTeradataを四半世紀にわたって支えてきた歴史あるユーザーカンファレンスだ。ここで参加者が得られるのはTeradata活用のための技術的な情報だけではない。250以上のセッションが用意され、そのうち約60はユーザー企業によるもので、データの解析によってインテリジェンスを得て差別化を図るためのノウハウや、Webサーバのログやソーシャルネットワークの情報のような膨大な「Big Data」を活用するためのアイデアを共有するのが大きな狙いだ。日本からもKDDIとキュービタスの2社が選ばれ、その先進事例を紹介している。
会場となっているサンディエゴのコンベンションセンターでは、米国時間の10月26日朝、KDDIの筒井正之氏が登場し、同社が取り組んでいる情報系システムを紹介した。筒井氏は同社の情報システム本部共通業務システム部で情報系グループリーダーを務める担当部長だ。
日本を代表する情報通信大手のKDDIは、固定通信と移動体通信のコンバージェンス、通信と放送のコンバージェンスを主導し、より利便性の高いサービスを顧客に提供しようとしている。2000年にKDD、第二電電(DDI)、そして日本移動通信(IDO)が合併して誕生して以降、1社で固定通信事業と移動体通信事業を行うだけでなく、ブロードバンド通信、ケーブルテレビにも積極的に投資を行い、「まるごとKDDI」で顧客の利便性を高めようとしている。
「携帯電話では競合他社が激しく追い上げる中でも3200万ユーザー、シェア30%を獲得、さらに全社を挙げて複数のサービスを組み合わせた利便性の高いサービス提供に努めている」(筒井氏)
こうした「まるごとKDDI」の取り組みを支えているのが、2006年に旧DDIと旧IDOの情報系システムを統合、さらにTeradataを採用し、2009年からはコンシューマー向けブロードバンド事業の情報系システムも統合した新しい情報系システムだ。契約者の急増やそれに伴ってデータウェアハウスが大規模化したせいか、やや不安定だったOracleからTeradataへとデータウェアハウスを段階的に移行させている。これにより検索性能の大幅向上とサービスの高可用性を実現しつつ、同時に初期コストおよびランニングコストの削減にも成功しているという。
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