会社には「5年後に会社はこうなっている」という長期的な事業計画、マスタープランが必要。「プランが達成できるとか、できないとか」「正しいとか、間違っているとか」そんなことは関係なく、マスタープランがあることが重要という。
会社にはマスタープランが必要です。「5年後に会社はこうなっている」という長期的な事業計画です。「プランが達成できるとか、できないとか」「正しいとか、間違っているとか」そんなことは関係なく、マスタープランがあること自体が大事です。
カジノで有名なアメリカ・ラスベガスの人口は、ほんの20数年前まで70万人程度でした(市内、周辺地域含む)。ところが、それから10年のうちに人口が150万人に達するという、世界でも類のない急成長を遂げます。いったい、それはなぜでしょうか。
もちろん、街が自然に急成長するはずはありません。この成長の陰にはネバダ州がつくった巧妙なマスタープランがあったのです。街を発展させるために、彼らが最初にやったのがたくさんのホテルを作ることです。ここまでは単純なやり方ですが、彼らがじつにうまかったのは「ホテルで利益をあげても、投資をすれば税は取らない」というルールをつくったことです。
そんなルールができれば、ホテルのオーナーや経営者は当然投資をします。税金で持っていかれるくらいなら、投資をして、さらなる利益を狙ったほうがいいに決まっているからです。
この話を聞いて、「そんなやり方では税収が増えず、ネバダ州は困るのではないか」と考える人は実に浅はかです。投資をする人が増えれば、雇用が生まれ、所得税収が増える。人口が増えれば、住宅が必要になり、固定資産税も増える。人が生活するにはさまざまな消費活動が伴うので、その他の産業も飛躍的に成長します。
ホテルの利益から得る税収に比べたら、比較にならないほど巨額のお金がネバダ州に入ってくる。こうしてラスベガスは一気に成長しました。すべてはネバダ州がつくったマスタープランから始まっていることは言うまでもありません。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授