お客さまから引っ張りだこになる人は何が違うのか? 誰もができる簡単なことだけど、多くの人が知らないルールとは。
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ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
私が、毎年1000人を超える営業マンに研修をして確信したことがあります。それは一流と言われる営業マンには「サプライズ」な行動があるということです。
ここでいう一流とは、いわゆる、お客さまから引っ張りだこになるような人。私は、営業ほどアートな仕事はないと考えています。資料ひとつとっても、提案ひとつとっても、さらには、服装、挨拶、相手の呼び方ひとつとっても……。
誰もができる簡単なことだけど、多くの人が知らない、そんな一流の営業マンが実践するルールを紹介します。ほとんどは「スキル」というより「知っているかどうか」だけのこと。ぜひ、営業のヒントになれば幸いです。
法人営業では、30本のネクタイを持っていたとしても、足りないことがあります。
ネクタイの色を訪問先のコーポレートカラーに合わせるためです。カラーがブルーのお客さまを担当したなら、ブルーのネクタイが7〜8本は必要になるということです。
ある大手企業の受付の人から聞いた話を紹介しましょう。その会社のコーポレートカラーはグリーン。訪問に来る営業マンの1〜2割は必ずグリーン系のネクタイだそうです。つまり、やっている人はやっているのが、ネクタイの色合わせということ。
「私もファミリーの一員のつもりで頑張ります。お気軽に何なりとお申し付け下さい。まずはネクタイの色からファミリーの覚悟で伝えに参りました。」
ネクタイは、ただのファッションではなく、ライバルと差をつける飛び道具です。
一流は、「色」でネクタイを選ぶ
主語の選択によって、心理的な距離を近くすることも、遠くすることもできます。ほとんどの営業マンは、自社を「弊社」、相手を「御社」と呼びます。なかには、「ウチの会社は」と言う人もいますが、その場合、ウチにはお客さまは入っていないわけで、絶対に避けたい言葉です。
では、一流の営業が意図的に使う主語、それが「われわれ」。商談時のプレゼンで差し込みます。
「われわれが目指すべきところは……」
「われわれが直面する課題は…」
といったよう、ところどころに差し込みます。
確実に商談に艶(つや)が出てきます。ぜひ、トライしてみてください。
一流は、「われわれ」と言い換える
あなたの会社に、社内表彰制度があればチャンス。受賞した時に、お客さまにお礼の報告をすると、一気に関係が縮まります。そんな気持ちを営業が持っていることを知るだけでも、お客さまは嬉しいものです。
「あの時のご契約のおかげで、社長賞をもらえました」と一言言うだけで、良いのです。きっと、「いや、私は何もしていないよ。でも、ありがとう。次も頑張ってね」と。
営業が、「次も頑張ってね」と言われることは、なかなかありません。スキルではなく、心がけの差。一流は、そうやって特別な関係を作っていきます。
一流は、「お客さま」と喜びを分かつ
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明治学院大学 経済学部准教授