「結果にコミットする。」をキャッチコピーに、日本のみならずアジアにも店舗を展開している。お客さまに選ばれ続ける理由について話を聞いた。
「結果にコミットする。」をキャッチコピーに、日本のみならずアジアにも店舗を展開するライザップ。現在120店舗を運営している完全個室のパーソナルトレーニングジムだ。代表取締役社長の瀬戸健氏は2003年に起業し、豆乳クッキーの通信販売で成功を収め、2012年にライザップ事業を開始。現在の会員数は8万人を突破し、右肩上がりに業績を伸ばしている。ライザップに通うとなぜ痩せるのか、ライザップがお客さまに選ばれ続ける理由について話を聞いた。
井上 私の回りでもライザップに通っている人がたくさんいます。多くのお客さまを満足させ続けるために、どういったサービスを提供しているのですか。
瀬戸 ライザップは完全個室という環境で、トレーナーとマンツーマンでトレーニングを行います。1回50分で週2回、2カ月が基本のコースです。トレーニングのとき以外でも、お客さまは1日3回、毎日必ず食事の写真をトレーナーに送り、トレーナーはそれに対してフィードバックを行います。2カ月コースですので、食事の写真を合計180回近く送ることになります。
井上 2カ月で10キロ以上減量するお客さまも多いそうですね。どういったメソッドがそれほどの減量を可能にしているのでしょうか。
瀬戸 今の時代、本屋へ行けばいくらでも有効なメソッドを知ることができます。しかし、メソッドを知っていれば、ダイエットに成功するわけではありません。重要なのは、続けることです。私たちに求められているのは、続けた方がいいのは分かってはいるけれど、つい三日坊主になりがちで継続することが難しくなってしまう方々に対して、その習慣を変えていくことです。徹底してその人に寄り添って変えていくことが必要です。
パーソナルトレーニングは、この「三日坊主市場」の1つですが、私たちは他にもゴルフ、英会話、料理教室などの事業を展開しています。
井上 「三日坊主市場」とは面白い発想ですね。他にもいろいろな事業が考えられますね。ライザップに通い、ダイエットに成功すると、人は外見だけではなく、内面も大きく変わりそうですね。
瀬戸 お客さまが願う理想の体を得るだけでも、その人が本来持っている自信を引き出すことができます。自分に意識が向くようになり、服装にも気を遣うようになります。スーツや靴を買ったり、毎日鏡を見るのが楽しくなったりします。自分に対して興味がわいてきて、自分のことをもっと好きになれます。そういった意識の変化によって、オーラまで変わってくる人もいます。いい時計、バッグ、車を手に入れることで自分の価値を高めようとするように、ライザップも自分の価値を高めるための自己投資なのです。
井上 トレーナーが、お客さまとどのように接するかがダイエットの成功に大きく関わっているんですね。
瀬戸 お客さまのために何をすべきかを、トレーナーたちに理解してもらうことが最初は難しかったです。本当にお客さまのためと思っていたら、心を鬼にして甘やかさずに向き合うことが必要だと話しています。忙しいからつい食べ過ぎてしまう場合が多いのですが、それを受け入れることはお客さまのためにはなりません。お客さまに責任を負っていないことになります。
井上 「寄り添う」とは受け入れることではなくて、お客さまを変えるために働きかけることなのですね。
瀬戸 愛情の反対は、嫌いではなく、無関心だといいます。本当に愛情を持っていたら向き合い方は変わります。本気で向き合うことで、お客さまの行動を変化させ、結果に導くことが求められていると常に意識させています。
ほとんどの人は、子どもの頃から食べ物は残さず食べるように教育をされています。外食の多い人が食べ物を残さずに食べ続けると、太るのは当たり前です。その習慣を変えるためには、いつも寄り添ってフィードバックをくれる身近な存在が必要なのです。
2カ月間毎日寄り添い、結果を追い求めることで信頼関係ができ、終わるころには、トレーナーもお客さまも感極まることも多いんです。ここまで寄り添い、一緒になって夢を描き、その達成に向かってともに歩んでいくパーソナルトレーニングは他では多くみられないライザップオリジナルのメソッドである、と自負しています。
井上 トレーナーの採用率が3.2%だと聞きました。かなり狭き門だと思います。それだけ求めるレベルが高いということですね。
瀬戸 トレーニングに関わる知識、食事にまつわる知識だけではなく、私たちが最も重要視しているのが、お客さまとのコミュニケーションです。一般的なパーソナルトレーニングジムでは、筋肉の構造などトレーニングのことだけに集中しています。それに対して、私たちが最初に学ぶのは、お客さまのやる気のスイッチをオンにするためのゴール設定についてです。
井上 トレーニングを続けさせるためには、ゴール設定は重要ですね。
瀬戸 ゴールが明確になり、そこに達する行動を取ることができれば、10キロ痩せることは難しくありません。お客さまの中に明確なゴールを描けるかどうかが勝負なのです。それで8割は決まるといっても過言ではありません。ゴール設定に関しては、トレーナーが徹底的にフィードバックし続けます。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授