好かれる人が無意識にしている言葉の選び方ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

一流のリーダーは、一流の詩人。詩人とは、適切な言葉を選べる人。言葉の使い方で、好かれる人と、そうでない人とに分かれる。

» 2018年01月18日 07時23分 公開
[中谷彰宏ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


「似合いますね」より、「好きです」

『好かれる人が無意識にしている言葉の選び方』

 一流のリーダーは、一流の詩人です。詩人とは、適切な言葉を選べる人です。

 ほめる言葉は、なかなか難しいものです。どうほめていいか、分からないからです。特に、服や髪形をほめるのは、男性でも女性でも難しいものです。

 ほとんどの人が、「その服、似合いますね」と言ってしまいます。これは、○×△で言うと、×ではなく、△です。

 言葉の使い方で、好かれる人と、そうでない人とに分かれます。×の言い方をすると、嫌われます。△は嫌われないだけで、好かれるところまでは行きません。好かれる人は、○の言い方をしています。

 ×の言い方が悪いことは、みんな分かっています。○の言い方を知らない人は、取りあえず△でお茶を濁します。そこに、あと1歩で好かれる人になるチャンスが残っているのです。

 好かれる人は、「その服、好きです」と言います。言われた側にとっては、似合っているかどうかより、好きかどうかの方が大切です。「好き」という言葉が便利なのは、少々似合っていなくても言えるからです。

 時には似合っていない場合もあります。似合っているかどうかは根拠が要ります。「好き」には根拠が要りません。話し手が「好き」だと言うのだから、それ以上の根拠は何もありません。

 根拠は話し手自身です。「好き」は、全てを救う万能の言葉です。

 仕事で出した企画がよくできているかできていないか、面白いか面白くないかには根拠があります。「この企画は面白くないけど、僕は好き」とか「イマイチだけど、僕は好き」とか言われたら、それだけで救われます。

 例えば、部下に厳し過ぎる主任に対して、上司が「もう少し優しく言ってあげた方がいいよ」と、注意しました。そのあとに「でも、君のその厳しさ、僕は好きだよ」と言うことで、その主任は救われるのです。

「こんにちは、ごぶさたしています」より、「あ、○○さん」

 リスペクトされるリーダーと、されないリーダーは、会った瞬間に決まります。

 あいさつするときに、普通の人は「こんにちは。ごぶさたしています」と言います。リスペクトされるリーダーは、あいさつをしません。「あ、○○さん」と、名前を言うだけです。

 正しいあいさつの仕方は、新人社員研修で教わります。マナーの本にも書いてあります。名前を呼ぶのは、それを上回る言い方です。特に、目上の人や1回しか会っていない人に「あ、○○さん」と呼ばれたら、うれしいのです。「あ、○○さん」は、「ごぶさたしています」にも「会いたかったです」にも勝ってしまう印象に残る言葉です。

 デザイナーのカール・ラガーフェルドは、会った人に「オー、ミスター○○」と、名前を呼びます。「Nice to meet you」とか「Nice to meet you again」とかは、一切ありません。それだけで「あのカール・ラガーフェルドが覚えていてくれた」と、感激します。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆