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» 2019年02月28日 07時05分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:緊張するから、いいプレゼンができる (1/2)

緊張を生かすことで、プレゼンで伝えたいことが伝わり、聞き手の心を動かすことができる。

[永井千佳,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


『緊張して話せるのは才能である』

 人前に出るだけであがってしまう。大事なプレゼンほど早口に。質問されたら、頭が真っ白。ビジネスパーソンならば誰でもそんな経験があるもの。「プレゼンで緊張しないようになりたい」という人も多いはずだ。

 「実は素晴らしいプレゼンをする大企業の社長でもとても緊張しています。緊張はなくすものではなく、生かすものなんです」というのは、トッププレゼンコンサルタントとして50社以上の社長の記者会見を分析し続けてきた永井千佳さんだ。『緊張して話せるのは才能である』(宣伝会議)を出版した永井さんに、話を聞いた。

プレゼンで緊張して力を発揮できないビジネスパーソン

 本書を書いた理由は、とても多くの人たちからこんな質問があったからです。

 「プレゼンで緊張しないようにするには、どうすればいいですか?」

 人前で緊張しながら話すことは、すごくつらいものですよね。でも本当は、緊張は自分の才能を引き出すために必要なものなのです。むしろ緊張を生かすことで、プレゼンで伝えたいことが伝わり、聞き手の心を動かすことができます。

 でもこういうと、「なにそれ?」「まさか!」と驚かれます。子どもの頃から「緊張しないでリラックスして」と言われ続けて、「緊張を克服しよう」と考えている人が多いからです。

 確かに緊張すると、身体が硬くなったり、手足が震えたり、心臓はドキドキ、喉はカラカラで、しんどいもの。ですから誰も「緊張は良いものだから、どんどん緊張しなさい」とは言いません。緊張は悪いもの、避けるべきもの、ということは、今や常識なのです。

 私もある時期まではそう思っていました。でもその考えは大間違いだったのです。

良いプレゼンをする社長は、誰もが緊張している

 私は雑誌の企画で、企業の社長さんのプレゼンを取材してコメントする記事を毎月執筆しています。これまで50社の企業を診断してきました。そこで、あることに気がついたのです。

 会社が厳しい状態でも、社長さんが良いプレゼンをすると、その後に株価が上がったり、会社の業績が良くなったりしていくのです。私はいつも先入観なしでプレゼンだけで診断しているのですが、繰り返しこのようなことが起こるのを経験してきました。

 良いプレゼンをする社長さんたちには、一つの共通点があります。実は皆さんとても緊張しているのです。

 私は最前列で取材するので、プレゼンする社長さんはいつも目の前にいます。そして誰もが手や足が震えていたり、身体が硬直していたり、早口になったり、人前で話すのが苦手だったりしているのです。でもそんな姿を見ても、「大企業の社長ともあろう人物が、こんなに緊張してダメだなぁ」とはみじんも感じません。むしろ強い思いが伝わってきて、なぜか心が揺さぶられるからです。

 そもそものプレゼンの目的は、聞いた人が感動して、あなたが正しいと信じる方向に行動を変えることですよね。この「伝えたい思い」が強いほど、緊張は激しくなります。身体の動きが悪くカチコチになるのは、人並みはずれた強い思いを持っているからです。だから、緊張するのは当たり前なのです。

 これは人間の自然な身体の仕組みで、人は「今から勝負」という場面に直面すると、交感神経を活性化するアドレナリンが出て緊張し、さらに覚醒のホルモンであるノルアドレナリンも出て周囲に意識を張り巡らせます。

 つまり緊張とは、太古の昔から獣と遭遇して「生きるか死ぬか」というギリギリのところで自分のリミッターを外して能力以上のものを引き出そうとする、人間に生まれつき備わった能力なのです。

 普段の私たちは、能力を限界まで出すと身体が酷使されて壊れてしまうため、脳が無意識にリミッターで制限をかけています。緊張に伴って分泌されるアドレナリンは、このリミッターを解除する役割を持っています。つまり緊張をうまく使えば、リミッターを外し、潜在能力を目いっぱい使い、大きな力を発揮できるようになるのです。

 素晴らしいプレゼンをする大企業の社長が、間近で見ると緊張しているのも、このような仕組みを生かしているからなのです。

 逆にリラックスしながら話す人の話を、人は真剣に聞こうとしません。相手に自分の思いを伝えるためには、伝える人は緊張していなければいけないのです。そして「聞いた人が感動して行動を変えてもらう」という目的を達成するためには、緊張をなくすのではなく、緊張を生かすことが大切なのです。

『緊張して話せるのは才能である』(宣伝会議)では、この緊張の取扱い方について、次の全5章で分かりやすく紹介しています。

はじめに 緊張を克服する必要はない。緊張を生かそう。

第1章 「緊張して話せません」緊張するのは、実は才能である

第2章 「どう話せばいいの?」緊張のトリセツ

第3章 「何を話せばいいの?」口下手でも、緊張しない人に勝てる方法

第4章 「じゃあどうすればいいの?」緊張で、聴き手の心を動かす方法

第5章 「でも質問、怖いです」緊張しても、困った質問は切り抜けられる

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