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» 2020年05月19日 09時00分 公開

「スモール・ハピネス」で仕事も生活もポジティブになる?!:第2回「つなぐ」力を磨く「能力モデル」 (1/2)

よいパフォーマンスは、ハピネスを生み出す重要な源で、スモール・ハピネスとパフォーマンスとは切っても切れない関係にある。

[キャメル・ヤマモト,ITmedia]

 前回、スモール・ハピネスを生み出す3つのポイントについて述べた。

 スモール・ハピネス(1):モノやコトのあいだの「つながり」をつかむこと、

 スモール・ハピネス(2):つかんだときに生じる「ポジティブな感覚」に気付くこと,

 スモール・ハピネス(3):(2)の感覚を自動的にスモール・ハピネスだと認めること、の3点だ。

 狙っているのは、大人のあなたが、スモール・ハピネスという感情を新たに手にすることだ。

スモール・ハピネス・メソッド

 今回はスモール・ハピネスを生み出す起点の(1)について、特に、仕事の場面で「つなぎを形成・発見」する上で有効な方法について話す。

 この方法は、元来、新時代にふさわしい「パフォーマンス」に必要な「能力」を開発する方法である。中心コンセプトは「情報をつなぐ力」の開発であり、スモール・ハピネス創出の(1)「つなぐ」にそのまま応用できる。

 そもそもスモール・ハピネスは、新時代の「パフォーマンス」を高める上でも有効であり(第1回であげた3効用の1つ)、両者の関係は深い。また、よいパフォーマンスは、ハピネスを生み出す重要な源である(成果がでればうれしい)。スモール・ハピネスとパフォーマンスとは切っても切れない関係にある。

 このコラムではスモール・ハピネスをテーマとしていることにも鑑み、新時代用の能力開発の方法を、高パフォーマンス創出とスモール・ハピネス創出の両方に資する「能力開発モデル」として紹介することにしたい。

露天掘りとツールと使う深堀

 さて、能力開発モデルは能力を使うべきポイントを、仕事の流れの中での「節目」として示している。それは、仕事空間を探索する際の見どころ(=節目)を示すガイド機能を果たす。もっというと、このモデルを片手に仕事に取り組むと、仕事はパフォーマンス向上やスモール・ハピネスの機会を見つける「探索ゲーム」となる。

 その際、最初の探索では、「ここには、パフォーマンスとスモール・ハピネスの鉱脈がある可能性があります。立ち止まってちょっと見てみましょう。すぐゲットできるパフォーマンスかスモール・ハピネスがあれば、即ゲットしましょう」というプレイとなる。いわば露天掘りだ。初探索・露天掘りに続いて、掘削(マイニング)ツールを使った「深堀」の段階もあるが、そちらは回を改めて案内することとし、今回は最初の探索に案内しよう。

パフォーマンス・スモール・ハピネス用「能力開発モデル」

 それでは、能力モデルを使った探索を図にそって説明していこう。

パフォーマンス・スモール・ハピネス用「能力開発モデル」

 (い)情勢解読は、新時代において情勢が大きく変化(ディスラプション)し続けることを直視し、情勢変化を読み解き続けることを指す。求められるパフォーマンスと能力は情勢次第であり、情勢変化にあわせて内容を変化させるべきものだ。通常の能力モデルはこの点を見逃している(「わが社の管理職に求める能力5項目」などの固定化は新時代では死を意味する)。

 情勢解読の品質はパフォーマンスの品質に大きく影響その品質が劣ると良いパフォーマンスは出ない。他方、仮に情勢解読がある程度うまくいっても、それだけではパフォーマンスがうまくいくことは保証されず、あくまで高パフォーマンスの必要条件にとどまる。もとより、新型感染症時代の情勢の展開は読みにくく、情勢解読は常に不完全であり続ける。

 このように情勢変化にさいなまれる点では、スモール・ハピネスも同様だ。いったん得た幸せも情勢変化によって例えば緊急事態が再発出されすぐに破壊されるかもしれない。

 ただし、幸いなことに、情勢解読との関係において、スモール・ハピネスとパフォーマンスの間には重要な差がある。それは、情勢解読がある程度うまくいけば、それだけでスモール・ハピネスは成立するという点である。情勢解読は「十分」条件であり、しかも部分得点もあり得る。

 情勢がうまく読み取れた時、ああ、こういうことか、と了解できたときは、情報間のつながりが分かったということなのでスモール・ハピネス(1)をクリアできる。それはとりもなおさず、ジグソーパズルが解けたときの「やった!」感も伴うのでスモール・ハピネス(2)もクリアできる。

情勢解読において「つなぎ」を見つける「深堀」スキルもあるがそれは回を改めて述べたい。

 (ろ)「情勢解読」の次は、それに基づき「社会や市場や顧客のニーズ」をつかまえることだ。ここでも、せっかくニーズをつかまえても、それだけでパフォーマンスが成功するとは限らない。他方、つかまえそこなえばパフォーマンスはほぼ失敗に終わる。その意味で、ニーズ把握はパフォーマンスにとっては必要条件にとどまる。

 他方、情勢読解の中からニーズを見いだすことができたら、スモール・ハピネスはそれだけで成立する。情勢とニーズのつながりを見つけたのでスモール・ハピネス(1)をクリアし、ビジネスパーソンとしてはニーズを見つければそれだけで小さな「やった!」である(スモール・ハピネス(2))。あとはルールに従って、スモール・ハピネスを認定すればよい(スモール・ハピネス(3))。

 図の通り(い)と(ろ)をWHYとしている。あなたが何か仕事をしているとき、(い)と(ろ)は「一体何のためにやっているのか、WHY」という問いかけ(節目)であることを示す。その問いへの答が、(い)情勢と、(ろ)ニーズである。他の答えもあるだろうが、まずはこの2つを探せと「能力モデル」はガイドする。実際にはWHYがなく、ただ仕事をしていることが意外に多い。時折、WHY? と自分に問いかけることで、情勢解読とニーズ発見を促し、スモール・ハピネスを生み出す機会をつくる。

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