仕事は全て「自己表現の場」と考え、「自分自身を表現する」ことができるようになったらどんなにすてきだろうか。それは可能である。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
あなたは、職場や人前で自分を出せずに悩みながら仕事をしていないだろうか。おそらく多くの人が、やらなければならない仕事にため息をつきながら、自分を捨てて指示に基づき、頑張っているのではなかろうか。
自分を出せずに悶々としながら、マネージャーの指示を忠実にこなしてビジネスパーソン人生をやり遂げることもできるかもしれない。しかしそれでは、楽しくないし、気力が続かない。
仕事は全て「自己表現の場」と考え、「自分自身を表現する」ことができるようになったらどんなにすてきだろうか。それは可能である。僕のまわりにいる仕事仲間には、「自分自身を表現する」ことで成果を出しているビジネスパーソンがたくさんいる。
皆、苦労しながら、仕事で自分自身を出すことができるようになっていった。僕もそうだ。20代後半でメンタル不全から復活して以降少しずつ、意識して自分自身を表現するようになっていった。
改めて振り返ってみると、
(1)Give & Listen
(2)Seed & Water
(3)Connecting the dots
(4)Follow Your Heart
(5)Dive
というプロセスで、自分を変えてきた。そのそれぞれが、案外、再現性があるのではないかと思うので、そのベースの考え方を共有しよう。
これは、その言葉どおり、Giveしろ、そして人からListen(聴く)することで学べ、ということだ。
人間関係はGive & TakeではなくGive & Give、とにもかくにも相手に貢献することから始まる、と僕は考えている。自身が未熟な中では、Giveできるものなどあまりないかもしれない。GiveしたところでTakeが返ってくることは期待できない。だからこそ、とにかく相手に貢献しよう、という気持ちこそが大事で、Give & Giveを繰り返すことで、ようやく相手は少しだけこちらを向いてくれる。
そして、相手がこちらを向いてくれたら、相手の行動を見て、相手の言葉に耳を傾ける。人の言葉は、成長の源だ。だからListen 、人から学ぶ。これによりあなたは成長することができる。
例えば、先輩が忙しそうにして困っていたら、手伝う。自分がどんなに未熟だったとしても、サポートできることは何かしらあるだろう。そうやって手伝う。そうすると、先輩の激務が一段落した時、「手伝ってもらってありがとうな」と言いながら、教訓になりそうなことを教えてくれる。それを必死に学びとる。
貢献しよう、という姿勢、その上で人から聴き、学びとる姿勢が成長のきっかけをつくるのだ。
自身の成果やビジネスの未来につながる種をまき、水を与える。Seed & Waterというのは、言ってみればGiveするスタンスと同様だ。
困っている人に手を差し出す。相手が喜ぶことをする。そこに見返りは求めない。お客さまが困っていたら、サポートする。自社の営業項目でなくたっていい。何かしらのツテを頼って、サポートする。そうしているうちに、必ず芽が出てくる。それが最後は、回り回って自分の成果につながる。
僕は銀行員時代、取引先に「借りてください」「預金してください」「外為を持ってきてください」という「お願い営業」をしたことがなかった。これは、お願いすることが単純に恥ずかしかっただけなのだが。しかしせっかく担当するお取引先ができたのだから、なんとか喜んでもらおうと、困りごとに応える種を見つけて解決し続けた。銀行の収益に関係なくてもだ。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授