日本の民間企業として初の月面着陸を目指す宇宙ベンチャー「アイスペース」の2機目の月着陸船が日本時間15日午後3時11分、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、ロケットからの分離が予定通り完了した。
日本の民間企業として初の月面着陸を目指す宇宙ベンチャー「アイスペース」の2機目の月着陸船が日本時間15日午後3時11分、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、ロケットからの分離が予定通り完了した。今後、月面着陸も成功すれば、世界の企業の中でも非常に早い段階での快挙となり、急拡大する宇宙ビジネス市場において、日本企業の存在感が高まりそうだ。
民間企業による月面着陸は、米宇宙企業インテュイティブ・マシンズが昨年2月に世界で初めて成功しており、現時点では唯一の事例だ。ただ、企業間の月面到達競争は激化しており、アイスペースより先に月面着陸に成功する可能性が高い民間月着陸船が存在する。
実は、アイスペースの月着陸船を15日に打ち上げた米スペースXのロケット「ファルコン9」には、米宇宙企業ファイアフライ・エアロスペースの月着陸船が相乗りしている。アイスペースは燃料の消費が少ない遠回りの航路を飛行するため、着陸予定は5月末から6月初旬だが、ファイアフライは迅速さを優先し、3月初旬の着陸を計画している。
また、民間で一番乗りを果たしたインテュイティブは、今年の第1四半期に次の月着陸船を打ち上げる計画で、これもアイスペースより先に着陸する見通しだ。各社が計画通りに成功すれば、アイスペースの月面着陸は民間で4例目となる。
それでも、アイスペースが月面着陸に成功すれば、世界3社目というトップ集団に入れる。月面への物資輸送という、急拡大が確実視されている分野で、日本が国際的に大きなリードを獲得できることは間違いない。宇宙ビジネス市場で確固たる地位を築くため、成功を目指す意義は極めて大きい。(伊藤壽一郎)
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明治学院大学 経済学部准教授