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» 2008年03月28日 07時00分 UPDATE

ビジョナリーが予測する10年後の情報セキュリティ:Wi-Fiウイルスが世界中で猛威を振るう日(前編) (1/2)

10年後、いまわれわれが知っている情報セキュリティは存在しないかもしれない。おそらく個別の製品としてではなく、あらゆる製品に当たり前のように組み込まれるものになるだろう。あるいはWebサービスが伝統的なエンタープライズ・セキュリティを終焉させるかもしれない。

[ITmedia]

 果たして明るい未来はあるのか?情報セキュリティの10年後について、ビジネスの最前線で活躍する専門家や識者に聞いた。その答えは、暗号技術でマスクした攻撃から企業ネットワークのゾンビ化まで、実に多様だった。また、根本的な変革を予想する声がある一方、大きな変化はないとする見方もあった。さまざまな予測の向こうに、情報セキュリティの未来が垣間見える。

今日のセキュリティ問題は完全に消え去る

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ホイットフィールド・ディフィー氏

サン・マイクロシステムズ副社長、サン・フェロー、チーフセキュリティオフィサー



 現在、企業が安全にコンピュータを利用しているというとき、それは自前でコンピュータを運用し、適切な手段を用いてそのコンピュータを保護していることを意味する。10年後、そういった形で安全性が確保される企業のコンピュータはなくなるだろう。今日、開発者や管理者、販売担当者は、1日に何回もGoogleを利用している。10年後には、GoogleのようなWebサービスが何千も存在し、ユーザー自身が実行するのに非現実的な仕事をすべて肩代わりしてくれるはずだ。そういう状況になったとき、今日われわれがセキュリティと呼ぶものは、跡形もなく消えてなくなるだろう。

脆弱性の問題は相変わらず残り続ける

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マーカス・ラナム氏

テナブル・ネットワーク・セキュリティ、CSO



 ソフトウェアの脆弱性は、セキュリティの専門家には申し訳ないが、今後も次から次へと明らかになっていくだろう。それはソフトウェアの進化に必要不可欠なプロセスだ、と言われながら。しかし、これまでの10年、脆弱性が簡単に生じるという面で、ソフトウェアは一向に進化しなかった。おそらく、この先の10年も、その方向で進化することはないだろう。当面、脆弱性の問題は、コンサルティングサービスの飯の種として残り続ける。

セキュリティ技術はソフトからハードに転換

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アラン・パラー 氏

SANS研究所、リサーチ担当役員



 次の3年で、セキュリティ技術はソフト(ポリシー/記述/認識トレーニング)からハード(防衛、侵入検知、隔絶およびセグメント化)へ、なだれを打って転換するだろう。ワシントンにある大手セキュリティ・コンサルティング会社のディレクターは、「わが社のスタッフの80%はソフトスキルしか持たず、ハードスキルに自信のあるスタッフは20%しかいない。今後2年間で、この比率を逆転させなければ、われわれのビジネスは立ち行かなくなるだろう」と強い危機感を抱く。

 こうした転換が必要な理由は、攻撃側が現行の防御システムを打破する方法を発見してしまい、企業のエグゼクティブたちが「攻撃を止めさせるにはどうすればいいか?」と繰り返し質問するようになったからだ。

 それに対する回答は、「ソフトスキルからハードスキルに切り替え、自社で攻撃を感知し、撃退し、再攻撃を阻止する態勢を整えるしかない」

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