情シス出身という異色の経歴を持つHENNGE 営業担当の谷元氏。アパレル企業での環境整備、オフショアでの従業員サポート、そしてHENNGEでのプリセールスを経て、営業へ転身した同氏が、技術的知見を活かして企業の複雑なIT課題を紐解く「アドバイザー営業」の流儀と、伴走型パートナーとしての思いを語る。
企業のITインフラやセキュリティが複雑化する中、単なる製品売りではない「伴走型」のパートナーが求められている。
HENNGEでエンタープライズ向け営業を務める谷元幹佳氏は、情報システム部門出身という異色のキャリアを持つ。新卒でのアパレル企業、マレーシア勤務となった大手通信会社では、ともに自社のITを支える情報システム部門。現在のHENNGEでは、導入支援やプリセールスを経験した後、「顧客が買いたいと思うプロセスを知りたい」と自ら営業へ転身した。
本記事では、技術的知見と徹底した顧客理解を武器に、企業のセキュリティ課題を紐解く谷元氏の歩みと、彼女が実践する「営業っぽくない」アドバイザー営業の流儀に迫る。
谷元幹佳(TANIMOTO Mika)
――HENNGE, Cloud Sales Division, Frontier Sales Section, Account Manager
新卒でアパレル企業に入社し、情報システム部にてインフラ構築や中長期のシステム投資計画に従事。機器老朽化に伴うIP電話化やシンクライアント導入などに携わる。その後、大手通信会社の情報システム部内の従業員サポート拠点であるマレーシアへ赴任し、グローバルでのActive Directory運用やID管理サポートを担当。新型コロナウイルス禍における閉塞感にあふれたフルリモート環境を経験したのち、帰国してHENNGEに入社。導入支援(オンボーディング)、プリセールスを経て、「売る側の視点を知りたい」と志願して営業部門へ転身。現在は従業員1,000名以上のエンタープライズ企業を中心に、自身の情シス経験を活かした「アドバイザー視点」でのITインフラ・セキュリティを提案をしている。
「新卒で入社し配属されたのは、東京に本社を置くアパレル企業の情報システム部でした。革新的な取り組みをどんどん進める社風の中で、私はインフラチームに配属され、中長期のシステム投資を見据えた計画立案などを経験させてもらいました」
谷元氏のキャリアは、泥臭いITインフラの現場からスタートした。全国に店舗を展開する同社では、老朽化したPBX(構内交換機)からIP電話への一斉リプレースという巨大プロジェクトが動いていた。
「全国の店舗にある親機や子機に対して内線番号を一から割り振っていく作業は地道な業務でした。何千行にも及ぶExcelシートと格闘しながら、『これは何々店のどこの子機』と設定をメンテナンスし、さらには社員やパートタイマーさん、アルバイトさんを集めて新しい電話機の使い方のトレーニングを全国の店舗でも行いました」
同時に、導入したばかりのGoogle Workspaceの展開や、全社端末のシンクライアント化、POSレジの刷新、ワークフローサービスの導入、資産管理など、現場の最前線で揉まれていった谷元氏。その後、「システム部としてやれることの裁量をさらに広げたい」という思いから、大手通信企業へ転職し、マレーシアのオフショア拠点へ赴任する。
「マレーシアの拠点からは、世界各国のITトラブル対応やサポートを行っていました。私はActive Directory(AD)のチームに所属し、アカウント管理やID運用などをグローバルに支援していました。現地法人のスタッフの過半数はマレーシア人で、日本人はほとんどいない環境でしたね」
グローバルな環境で順調にキャリアを築いていた矢先、新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲う。マレーシア政府による突然のロックダウン宣言は、谷元氏に不自由を極めたリモートワーク環境を強いることになった。
「ある日突然政府から『家から出てはいけない』という指示が出て急遽在宅勤務になりました。急だったため、会社のデスクトップPCをタクシーに乗せて自宅へ持ち帰るという状況でした。道の検問には軍隊が出ていて、『マスクをしていないと撃つぞ』というような緊迫した空気です。カメラも支給されていなかったので、チームのWeb会議はずっとカメラオフ。同僚の顔を見ることもなくなりました(笑)」
このマレーシアでの過酷なフルリモート環境で社内システムを支え続けるうち、谷元氏の心境に少しずつ変化が生まれていった。
情報システム部における主な顧客は、あくまで自社の社員になる。常にコストカットや厳しい予算管理、決められた枠組みの中で最善を尽くす働きが求められる環境下で、谷元氏は次第に「もっと幅広く、多様なお客様と直接対話をして課題解決に関わりたい」と考えるようになったという。
情シスとしての実務経験を活かし、いかにして「ITでのビジネス変革」を実現するのか。その理想を社外の顧客と直接議論し、自ら提案できる新たな環境として彼女が選んだのが、現在のHENNGEだという。
HENNGEに入社してからも谷元氏は、変化とチャレンジを重んじる社風に背中を押され、ユニークなキャリアを歩んでいる。
まずは、同社の製品を購入した顧客に対し、要件定義や運用方法を提案する「オンボーディング(導入支援コンサルタント)」を担当。その後、技術的な観点から営業活動をサポートする「プリセールス」へと異動し、クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」だけでなく、連携する他社製品の技術検証や、社内メンバーに向けた知見の共有・勉強会の講師も務めた。
そして現在、谷元氏は自ら志願し、「営業」として第一線に立っている。
「プリセールスとして営業と一緒に動く中で、ふと不安になったんです。『私のアドバイスは、本当にお客様のためになっているのだろうか?』と。お客様の心理や対話のプロセスを知らなければ、本当の意味での技術支援はできないと思い、『営業をやらせてほしい』と直訴しました」
情シス、導入コンサル、プリセールスを経てたどり着いた谷元氏の営業スタイルは、顧客からも社内からも「良い意味で営業っぽくない」と評される。
「『買って買って』という押し売りは一切しません。私自身がアドバイザー的な立ち位置で、世の中のトレンドや同業他社の事例を交えながら情報を提供しています」
心がけているのは、HENNGEや情シス時代の経験を活かすこと。「このお客様の会社で自分が働いたら、どんな課題に直面するか」「従業員はどんな働き方をしているのか」と想像を働かせて対話に臨む。難しい要望にも、「無理です」と突き放すことはしない。「どうすれば一緒に実現できるか」とポジティブ思考を徹底している。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授