超人もかつては本当に“メタボ”だった――三浦雄一郎Tips of Health(1/2 ページ)

今年の5月、75歳にして2度目のエベレスト登頂を果たしたプロスキーヤーの三浦雄一郎さんは、「具体的な目標を持って、少しずつ自分に負荷をかけながらトレーニングすることが健康維持の秘訣」と語る。

» 2008年06月27日 08時43分 公開
[大西高弘,ITmedia]

普通の人に戻ってしまった?

 読者のみなさんもご存じだとは思うが、「プロスキーヤー 三浦雄一郎」は、1960年代、70年代で数々の偉業を成し遂げ、超人の名を欲しいままにした偉大なアスリートだ。1964年イタリアのスキー大会で日本人として初めて参加し、時速172.084キロの当時の世界記録を樹立。1966年、富士山直滑降。1970年にはエベレスト・サウスコル8000メートル世界最高地点からのスキー滑降を成し遂げ、その記録映画でアカデミー賞まで受賞している。その後1980年代に入ってからも世界七大陸最高峰のスキー滑降を完全達成して世界中から賞賛された三浦氏だが、この時が1985年だから、年齢としては53歳となる。

 30代から50代にかけて人生のピークを何度も経験したこの偉大なアスリートに「健康の秘訣」を聞いても、一般の人には手が出せないような特別な方法しか出てこないのではないか、と不安に思いながらインタビューをさせてもらった。先ごろ開催された日本加齢医学会総会の一般向け市民公開講座で三浦氏が講演をするとのことで、その合間に話を聞くことができたのだ。

 実は取材の下調べの中で、三浦氏も60代では講演活動に忙しくメタボ体型になってしまったという事実が出てきた。実際にお会いすると意外と小柄だが、現在ではとてもそんな過去を感じさせない体躯の三浦氏に、まずそのことをたずねてみるとあっさりとした返答が返ってきた。

 「ええ、そうでした。いろいろなお付き合いも増えて、食事もカロリーオーバーになってきます。私は身長が165センチですが、そのころは体重が85キロを超えていました。一般の肥満の方と変わりませんよ。糖尿病や高血圧、高脂血症の影響も出てきていました」

「目標を達成するために時間をかけてトレーニングすることが大切」と語る三浦雄一郎さん

 えっ、じゃあ普通のおじさんと変わらないですねと思わず聞くと、三浦氏は笑ってうなずきながら、言葉を続けた。

 「そうそう、その通りですよ。ただ、もう一度エベレストに登りたいという気持ちが出てきた。そのためには、まず体を鍛えなおさなければならない。だからできることは何でもやろうと思ってトレーニングを開始したのです」

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