ニュース
» 2008年07月22日 07時30分 UPDATE

ITmedia エグゼクティブセミナーリポート:内部統制を徹底し過ぎる日本人、効率良く経営改善に転化せよ (1/2)

物事にこだわりを持つのは日本人の長所だが、時にそれがビジネスの足かせとなってしまうのも事実だ。企業のJ-SOX法対応でもその影響がみられる。

[伏見学,ITmedia]

 経営層に向けたセミナー「第5回 ITmedia エグゼクティブ セミナー」が6月27日に開催された。パネルディスカッションでは、IT調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)の内山悟志代表取締役をモデレータに、After J-SOX研究会の中心メンバーが企業における日本版SOX法(J-SOX法)対応の実態と今後の課題について議論した。

企業の経営層を前に有識者たちが議論を交わした。左から田尾啓一氏(立命館大学)、川井俊弥氏(NEC)、永井孝一郎氏(アビームコンサルティング)、内山悟志氏(ITR) 企業の経営層を前に有識者たちが議論を交わした。左から田尾啓一氏(立命館大学)、川井俊弥氏(NEC)、永井孝一郎氏(アビームコンサルティング)、内山悟志氏(ITR)

 「多くの企業は五里霧中でスタートしてしまった」。同研究会で座長を務める立命館大学大学院の田尾啓一氏はこう述べる。2008年4月から適用年度が始まったJ-SOX法はなじみのない制度であるため、企業の多くがスキル不足、リソース不足などに頭を悩ませているという。また実施基準や金融庁の例示が中途半端であるほか、業種・業界、監査法人、会計士それぞれで解釈が異なっていることも混乱を招いている。

 そうした中での企業の取り組み状況はどうか。同研究会運営委員でNECのマーケティング本部長代理である川井俊弥氏は、上場企業159社のIT部門を対象に実施した調査の結果を発表した。調査によると、8割以上の企業が「構築」や「運用・評価」といった文書化以降のフェーズにある一方で、中堅・中小企業では取り組みの遅れが目立つ。

 同じく運営委員を務めるアビームコンサルティング プリンシパルの永井孝一郎氏は自社で実施した別の調査データを提示する。これによると、回答企業のうち52%が外部監査人による予備調査または文書レビューを実施していないという。永井氏は「これではぶっつけ本番になってしまう」と懸念する。

 企業にとっても、どの程度までJ-SOX法に対応していけばいいのか判断基準がないことが問題だ。田尾氏は「日本人は徹底的かつ合理的に考える習慣がある。例えば文書化についても細かくやり過ぎて、必要以上に手間が掛かっている感がある」と指摘する。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「ITmedia エグゼクティブ」新規入会キャンペーン実施中!!

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

「ITmedia エグゼクティブ」は上場企業および上場相当企業の課長職以上の方が約5500人参加している無料の会員制サービスです。

会員の皆さまにご参加いただけるセミナーや勉強会などを通じた会員間の交流から「企業のあるべき姿」「企業の変革をつかさどるリーダーとしての役割」などを多角的に探っていきます。

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -
世界基準と日本品質を極める Clients First with Innovation & Japan Quality

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆