2008年4月に施行された通称J-SOX法(金融商品取引法)の最大のヤマ場であろう内部統制報告、公表が4月以降始まる。1年の成績表でもある決算報告とセットになって、提出、公表となる。ほかの会社の内部統制の状況などがこれによって明らかになるとともに、投資家などの評価の動向にも神経をとがらせることだろう。
当初は、4月以降、各社の内部統制の状況や統制レベル感を把握できることもあり、2年目の内部統制の計画、特にIT統制の本格化が加速するものと思われていた。しかし、米国発と言われている経済不況の大きな波に飲み込まれた影響が本格的に表面化するであろう2009年に、当初の見込み通りに内部統制の計画が進むものとは思えない。内部統制へ投資予定だった資金は、当然のことながら運営資金に回されることだろう。当初描いていたであろうIT統制の本格化も凍結される傾向になるものと思われる。
この経済不況の下、大企業は別として、中堅企業以下の上場企業では、統制よりも企業存続に力を注がなければならなくなり、内部統制への注目度も低下するはずだ。2008年度と同等のレベルの統制の維持に徹するものと思われ、大きな変化は起きないのではないかと予測する。
逆に、初年度に多大な予算をつけて取り組んできた内部統制プロジェクトは、その規模の縮小化に動き出すことになるだろう。コンサルティング会社の変更をしたり、すべてを自社内部で完結する体制を作りコンサルティング会社との契約を切ったり、提供サービス内容を縮小したりすることが考えられます。内部統制導入コンサルティングをいったん契約満了し、運用コンサルティングは別の中堅以下のコンサルティング会社と契約締結するケースも見受けられることになるだろう。
運用フェーズにおいては、IT統制や業務処理統制の中でのIT化、システム化が内部統制の監査効率や業務効率を上げるポイントと言われていたが、現在の経済状況を考慮すると、投資意欲が鈍ることが予測される。どうしても、IT化やシステム化は、一時的に支出する金額が大きくなる傾向にあるため計画の先延ばしや再検討を余儀なくされる。2008年度を何とかマニュアル統制で乗り切れた企業については、もう1〜2年程度、マニュアル統制を中心に内部統制の運用を進めていくことになるかもしれない。
SIerやメーカーでは、内部統制の運用ツールの市場投入を進めてきたが、これらの販売は計画に比べて大幅ダウンとなるかもしれない。ツールだけではなく、親会社やグループ企業間でのシステム統合なども延期となるかもしれない。内部統制関連ビジネス全体の硬直化、縮小化が予想されるだろう。
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