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» 2009年08月19日 08時30分 UPDATE

ミドルが経営を変える:【最終回】「紳竜の研究」から学べること (1/2)

単なるお笑いと侮るなかれ。島田紳助氏の哲学や独自の方法論からビジネスマンが学ぶべきことは多いのだ。

[吉村典久(和歌山大学),ITmedia]

 日々慌しく走り回っているミドルの皆さんに、思い切り笑えた後で、思い切り考え込むことができる(そして、ほろっとできる)DVDを紹介しよう。

 今回のタイトルにある「紳竜」。Wikipediaには、「1970年代後半から1980年代前半にかけて活動した吉本興業所属のお笑いコンビ。略称『紳助・竜介』、『紳竜』。当時の漫才ではスタンダードとされた背広のスタイルを廃して、リーゼントヘアにつなぎ作業着という不良スタイルの『ツッパリ漫才』で、漫才ブームをけん引するコンビとなる」との説明がある、懐かしの漫才コンビのことである。

 竜介氏は数年前に病気で他界してしまったが、紳助、つまり島田紳助氏は誰もが知る人気スターになっている。全国放送から関西のローカル番組まで、全国津々浦々のテレビで彼の顔を見かけない日はないと思わせるほどのレギューラー番組数を誇っている。

 漫才ブーム以降も一貫してお茶の間をにぎわし続けている。また、自身のみならず彼がプロデュースしたグループユニット「Pabo」「羞恥心」なども活躍中である。テレビ以外の「サイドビジネスでもガッポリ」といった記事を週刊誌などで見掛けることも少なくない。世の中を闊歩(かっぽ)していく知恵が相当に長けている印象を持つ読者も多いはずだ。

才能と努力の両立

 この知恵をどうやって育んできたのか。その秘密を自ら語っているものがある。それが『紳竜の研究』と題した2枚組のDVDである。ディスク1枚目(紳竜の絆)には、漫才師を志す吉本芸能学院(NSC)の47人の若者に対して、漫才師も含め芸能人として大成するために考えておかねばならないこと、紳助氏自らが考えてきたことが収録されている。精神論だけではなく、実に具体的に語られているのである。14のセッションに分かれ合計1時間半を超えるが、退屈することなく一気に見ることができる(表1)

<strong>表1</strong> 「紳竜の研究」 表1 「紳竜の研究」

 なぜか。とにかく「面白い」のである。ただし、笑える面白さではない。“stimulating(刺激的)“なのだ。ビジネスマンにとっても、自らの仕事の進め方を見直すきっかけになる内容である。

 笑いの才能、それが笑いの天才をつくり出す。個人の持っている天性の資質が芸能人としての成功を大きく左右する。「なぜ、彼は面白いのか?」「それは、彼が面白いから」。お笑いの世界に対するわれわれの常識は、このようなものだろう。

 紳助氏自身も才能の存在は否定していない。しかし、才能だけではなく努力も重要だと述べる。それぞれゼロから5までの段階があるとすれば、5×5が最高で、努力が5でも才能がゼロではどうしようもない。紳助氏が力説するのは、才能が天賦のものであるとするならば、努力の方をコントロールしていくべきであるということだ。若手が一生懸命、努力していることを紳助氏は否定しない。しかし、それが間違えた努力、正しい筋トレになっていないことを警告する。努力の方法を見直すことを提案しているのだ。

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