産業・エネルギー転換部門のCO2排出量は1990年比10.5%減――日本経団連が2008年度調査結果を発表

日本経団連は11月17日、2008年度の産業界のCO2排出量を調査した結果を発表した。産業・エネルギー転換部門34業種からのCO2排出量は、1990年度比で10.5%減少したという。

» 2009年11月20日 14時35分 公開
[栗田昌宜,環境メディア]

 日本経済団体連合会(日本経団連)は11月17日、2008年度の産業界のCO2排出量を調査した「環境自主行動計画〔温暖化対策編〕2009年度フォローアップ結果 概要版<2008年度実績>」を発表した。

 環境自主行動計画〔温暖化対策編〕は、日本経団連が1997年6月に策定したCO2排出量抑制の自主行動計画。京都議定書約束期間である2008年度〜2012年度の平均的な産業・エネルギー転換部門のCO2排出量を1990年度以下に抑制するという努力目標を掲げるとともに、同計画に参加する各業種・企業が設定した削減目標を達成できているかどうかを毎年調査し、その結果を公表している。

 このほど発表されたのは、2009年度のフォローアップ調査結果(2008年度のCO2排出量実績値)。それによると、産業・エネルギー転換部門に属する34業種からのCO2排出量は4億 5418万トンで、1990年度の5億720万トンに比べて10.5%減少した。1990年から2008年度の間に生産活動量は4.1%増加しているが、生産活動量当たりのCO2排出量は13.6%減少しており、さらにCO2排出係数(発熱量や電力量当たりのCO2排出量)が0.9%改善したことも寄与した。

 なお、2008年度のCO2排出量4億5418万トンは、電気事業者が京都メカニズムクレジットを約6400万トン分償却した結果の数値である。クレジット償却による減少分を除いたCO2排出量は4億6986万トンで、1990年度比の減少率は7.4%となる。

 一方2007年度(CO2排出量は5億1183万トン)との比較では、急激な景気悪化に伴う生産活動量の減少やCO2排出係数の改善などにより、11.3%の減少となった。

産業・エネルギー転換部門からのCO2排出量の推移(出展:環境自主行動計画〔温暖化対策編〕2009年度フォローアップ結果 概要版<2008年度実績>) 産業・エネルギー転換部門からのCO2排出量の推移(出展:環境自主行動計画〔温暖化対策編〕2009年度フォローアップ結果 概要版<2008年度実績>)

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