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» 2010年04月30日 08時15分 UPDATE

ビジネスマンの悩み相談室:ホウレンソウをしない部下に悩む上司 (1/3)

今回は新年度に際して、多くのリーダーの方々に共通する悩みである「ホウレンソウをしない部下をどうしたらいいのか」についてお話ししたい。

[細川馨(ビジネスコーチ) ,ITmedia]

 4月になり、新しい部署に配属されたり、新しい役職に就いたりして、気持ちも新たに仕事に取り組んでいる人も多いことだろう。今回は新年度に際して、多くのリーダーの方々に共通する悩みである「ホウレンソウをしない部下をどうしたらいいのか」についてお話ししたい。


事例

 D次長が率いるチームに、W君が配属されてきた。W君の前の上司から、「W君はとても優秀だ」と聞いていたD次長は、早速、W君に大型受注が見込める顧客とのパイプ役を依頼し、進捗状況を知らせてほしいと伝えた。しかし、1週間経っても何ひとつ報告が上がってこない。心配になったD次長はW君に「任せたあの案件だけど、どうなっているのかな?」と尋ねた。

 するとW君からは次のような返事が返ってきた。

「先方の担当者とは頻繁に連絡をとっていて、来週、直接会う予定になっています。しっかり契約を取って来ますから、任せてください」


 W君は優秀であるがゆえに、すべて自分で判断・対処しても良いと考え、こまめにホウレンソウをする必要はないと思っていた。ホウレンソウの重要性を認識していなかったのである。

 「何度言っても部下がホウレンソウをしてこない」

 このようにホウレンソウをしない部下に悩まされている上司の方によく遭遇する。新しいメンバーが入ってきたときなどは、お互いによくそれぞれのことをわかっていないという状況である。そのためにまずは相互理解を図っていくことがまずは大切で、相互理解のためにもホウレンソウを活用することはとても有効である。

 ホウレンソウの重要性を再認識させるいい時期なので、ホウレンソウについて改めて触れたい。

部下がホウレンソウをしない理由

 部下はなぜ上司にホウレンソウをしないのだろうか。わたしは、次のような理由があると考えている。

  1. 怒られたくないと思っている。
  2. 責任を取らされるのが恐いと思っている
  3. 自分の評価を下げたくないと思っている
  4. ホウレンソウをするほどの問題ではないと考えている
  5. 自分で問題を解決できると考えている

 1つ目は「怒られたくない」と思っているということである。部下にとって、上司は恐い存在である。新しい部署に配属されてきた部下の場合、そのような意識はより強くなる。そのため、失敗を報告したら怒られるのではないか、ホウレンソウの仕方が悪いと怒られるのではないかといった、ホウレンソウをすることによって起こり得る「負の状況」のイメージが、部下を萎縮させる。

 そして、できるだけ、怒られないようにするために、失敗は報告せず、最低限のホウレンソウだけする、という方法を選択させてしまうのである。もちろん、このような状況で、ホウレンソウをしない部下に対して、「なぜ報告しなかったのか」と怒ってしまうと、部下がますますホウレンソウをしなくなるという悪循環に陥ることになる。

 2つ目は「責任を取らされるのが恐い」と思っているということである。自分の行動に責任を持つのは当然かも知れない。しかし、部下の立場から考えると、悪い報告をして責任を追及されたり、報告や相談をして「君がやれば」と丸投げされ、責任を押し付けられるのが嫌なのでホウレンソウを避けてしまうというのも、分からなくはない。

 3つ目は「自分の評価を下げたくないと思っている」ということである。下手にホウレンソウをして、自分の評価を下げられては困ると考え、ホウレンソウをしないのだ。

 4つ目は、ホウレンソウをするほどの問題ではないと考えているということである。部下は「上司も忙しいだろうし、些細なことでとやかく言われたくない」と思っている。そして、これくらいのことはホウレンソウしないでいいだろうと勝手に判断して、ホウレンソウをしないのである。しかし、ある人にとって重要でない情報が、別の人にとっては重要な情報となることはよくあることだ。ホウレンソウをする基準が明確になっていないと、重要かどうか自分の価値で判断してしまうことになる。

 5つ目が自分で問題を解決できると考えているということである。本人が自分の能力に自信を持っており、上司へのホウレンソウは必要がないと考えるのだ。事例に挙げたW君はこれに該当すると言える。

 このような5つの理由で、部下はホウレンソウをしないのである。

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