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» 2010年07月15日 08時00分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:リーダーが直面する5つの葛藤とは (1/2)

真のリーダーとは相対立するものでも受け入れ、決定したら実行する。柔軟な感覚と強力な牽引力が求められる。

[小笹芳央,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。


 リーダーシップには「成果」が不可欠であり、成果なきビジョンは「絵に描いた餅」になりかねません。一定の成果を繰り返しアウトプットすることは、描いたビジョンの実現に向けて、リーダーが有効に機能するための最低条件であると言えるでしょう。

 効果的な戦略を描き、目標を定め、人々を導いて成果を出すというサイクルをつくることがリーダーへの信頼を増幅させ、リーダーシップを強化するのです。

 では、リーダーとはどのような行動をとるべきなのでしょうか?

 選択肢は無限です。一定の成果を出すために、互いに相克する対立事項を統合していく活動こそがリーダーシップであり、これは芸術的な活動と言っても過言ではありません。リーダーは常にその葛藤に直面していることでしょう。

 ここでは、その典型的な葛藤シーンを5つご紹介したいと思います。これら葛藤への対処の仕方を知って、是非皆さんのリーダーシップスタイルのヒントにしていただきたいと思います。

効率 v.s. 感情

mo.gif 『モチベーション・リーダーシップ 組織を率いるための30の原則』

 リーダーが目指す成果は、「組織としての最大効率の追求」と「個々人のモチベーションの極大化」という対立事項の統合によって生み出されています。

 ビジョンの実現に向け、リーダーは有効な戦略を描き、効果的な業務設計を行い、各人の役割分担を行い、誰が何をいつまでにどれくらい実行するのか、という目標設定や責任配分を行います。

 しかし、「効率」だけを重視すると組織は疲弊していきます。なぜなら、その活動を担うのは感情を持った生身の人間であるからです。たとえ短期的な効率を実現しても、メンバーの感情を無視した方法であれば、次の成果に向けて再びメンバーから十分なエネルギーを調達することはできなくなるでしょう。

 つまり、リーダーには常に「組織としての最大効率の追求」と「個々人のモチベーションの極大化」という対立事項が姿を現し、広義の意味で「リーダーの成果」はこの両方の達成度合いで測られているのです。優秀なリーダーは、この相対立する「効率」と「感情」を同時に実現する芸術的な手腕を振るう人を言うのです。

受容 v.s. 支配

 リーダーは、顧客への貢献や顧客のニーズの受容を意識しながらも、環境をコントロールする力を身につけなければなりません。組織が持つ資源は当然限られており、その中で有効な活動を行おうとすれば、すべての顧客ニーズに応えるわけにはいかないのです。

 顧客への貢献や顧客のニーズを軽視すれば、組織の存在が危ぶまれます。一方、環境のコントロール力、つまり市場や顧客に対する支配力を手に入れなければ、顧客への貢献機会を失うというリスクにさらされるでしょう。

 リーダーは、市場や顧客と向き合う時、常にこの「受容」と「支配」の葛藤を抱え、そのバランス感覚を見極めて的確に実行することが求められます。

短期 v.s. 長期

 現在の利潤を最大化するためには「現在の市場や顧客の深耕」を追求し、すべての資源をそこに投下することが正しい判断だと言えるでしょう。しかし、将来の利益創造を考えると、「新商品開発」「新規顧客開拓」「既存事業の変革活動」にも一定の資源を割かなければなりません。

 短期利潤の追求だけでは将来の環境変化への備えが不十分になり、中長期視点に偏ると、現在の利益を逃し足元を揺るがせる結果に陥る。このように、相克する「短期」利益と「長期」利益をどのようにバランスさせるか、リーダーは常に自覚的な選択をしなければならなりません。

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