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» 2010年08月30日 11時43分 UPDATE

藤田正美の「まるごとオブザーバー」:日本政治のマヒ (1/2)

代表選と為替相場、民主党にとってはどちらが大切なのだろうか。内輪争いのとばっちりにしてはダメージが大きすぎる。

[藤田正美(フリージャーナリスト),ITmedia]

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動かない政治

 異様に暑い夏だった日本。しかしそれとは裏腹に政治や経済の状況はお寒い限りだ。15年ぶりの円高と、9000円前後と低迷する株価を前に政府や日銀は立ちすくんでいるようにも見える。さらに9月に民主党の代表選を控えた菅総理は、為替相場について注意深く見守ると繰り返すだけで、「何もできない」と言わんばかりである。それどころか市場のほうからは「欧米が協調しない為替介入なんか効果がない」などとけん制までされてしまった。

 もちろん政府が市場の動きについていちいちコメントすることはないし、まして今の水準が望ましいとか望ましくないとかいうことも適当ではない。しかし経済状況が決していいとは言えないのに、過去最高水準の円高になるのはおかしな話なのである。ドル安を望むアメリカ、ユーロ安を望むヨーロッパにはさまれて、円が買われる。まるで政府や日銀が何もできないのを見透かしているようだ。

 なぜ世界の主要国の中で、日本だけがこれほどまでに「マヒ状態」に陥っているように見えるのだろうか。首相の「賞味期限」が1年というあまりにも極端な「人材不足」の問題があるかもしれない。民主党の代表選では、小沢前幹事長が出馬するかどうかが取り沙汰される始末。政治とカネの問題で幹事長の座を降りざるをえなかった小沢氏に立候補を要請するほど人材がいないということだ(もっとも鳩山前首相や菅首相、あるいは大臣やその他の要職にある顔ぶれを見ても、この人ならと思える人がいないのも事実である)。

 自分のビジョンを掲げてそれを国民に投げかけることでリーダーシップを発揮することができる人がなぜ生まれないのかが不思議である。少なくとも、つい最近も小泉首相というリーダーがいた。政策に賛成するかどうかは別にして、郵政民営化という持論を掲げて首相の座についた(党内力学の間隙を縫って登場したのだが、その一瞬のチャンスをつかんだのは見事なものだ)。重要なことは小泉首相は党内基盤をほとんど持っていなかったのに、自民党内の抵抗勢力を蹴散らしてしまったことだ。それは一にも二にも国民の支持があったからである。

 ところがそれ以降というもの、いろいろなスローガンは打ち出されるものの、それを実現する政策がどうもはっきりしない。消費税を唐突に打ち出して参院選で敗れた菅首相は、本来の歯切れのよさがすっかり影を潜めてしまった。国民を味方につけることを忘れて、党内政治にばかり目を向けているようにさえ見える。現在のような赤字財政を続けるわけにはいかないと国民に正直に訴えればいいものを、増税しても税金の使い方さえ誤らなければ成長を阻害しないとか、福祉の財源にするとか、悪い言い方をすれば「ごまかし」にしか聞こえないような言い訳をした。

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