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» 2010年11月26日 08時00分 UPDATE

ヘッドハンターの視点:守る40代、攻める50代――エグゼクティブ転職の意外な実情 (1/3)

ここ数年間、わたしが携わった案件で転職した方の平均年齢はいくつだと思いますか。

[岩本香織(G&S Global Advisors),ITmedia]

 ここ数年間、わたしが携わった案件で転職した方の平均年齢はいくつだと思いますか?

 正解は「50代前半」です。

 クライアントから案件を依頼される際には、クライアントは通常40代の方を採用することを想定しています。年齢などで採用を差別することは禁じられているので明確に「何歳」とは言いませんが、話のニュアンスでそれは分かります。

 そこで、「young」以外で採用したい人のPersonalityを表現してほしいと頼むと「Aggressive」「Passion」などが挙がってきます。

 ヘッドハンター視点で見ると、一般に40代の方は仕事に対する姿勢が「守り」であることが多いです。住宅ローン、子供の教育など職を選ぶに際し、自分のやりたいこと以外にも考慮しなければならないことがたくさんあるのはこの年代です。また、社内でも責任あるポジションで中核として活躍しているのもこの年代でしょう。そのため、リスクのある転職はできないと考える人が多いのです。また、本人がその気になっても、ご家族(主に奥様)の反対で転職を断念するのもこの年代の方によく見られる傾向です。

 50代になると状況は少し変わって「自分のやりたいこと」を比較的自由に考えられる人が増えてきます。最近は50歳で早期退職ができる企業も少なくないため、転職に対しても前向きな人が多いのです。

 実際にクライアントと候補者のインタビューに同席していると、40代より50代の方がずっと明るく元気で、話が弾むことがよくあります。外国人にはこれが「若さ」と映る場合もあり、後で年齢を教えると非常に驚かれます。

 インタビューに臨む姿勢も違います。40代の方の質問は「お金」の話が主ですが、50代の方は「仕事の内容・権限」に関する質問を多くされます。採用する側にとってどちらの印象がいいかは明らかです。

 また、ご存じのとおり、日本のIT業界は海外とは異なる事情があります。B2Bでビジネスをする場合には、よほど製品がとがっていない限り、日本の大手IT企業といかに良好なパートナーシップを築けるかが、成否を分ける大きな要因となります。この場合の良好な関係づくりには、トップダウンとボトムアップの両方からの働きかけが必要不可欠です。

 外資系の場合トップダウンのために本社の役員を巻き込むという手はありますが、毎回タイムリーに本社から来日してくれるわけではないので、日本法人社長もそれなりのシニオリティーが必要になります。ここで言うシニオリティーは大きなオフィスを持って、社用車があって、秘書が複数いて……ということではなく、日本の大企業の役員の方々(60代もたくさんいらっしゃいます)に「また会いたい」と思わせるような、経験からにじみ出る品格ある対応ができる方です。

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