「へアカットだけでいいのではないか?」――小西氏が世の中に問うた新しい価値基準である「QBハウス」は、1996年に神田美土代店からスタートした10分/1000円のヘアカット専門店。2011年3月10日現在、日本国内410店舗、海外54店舗(香港、シンガポール)、合計464店舗を展開しており、2010年の来店顧客数は1300万人に上る。
QBハウスという店名には、「Quick Barber」「Quick Beauty」「Quality Business」など、さまざまな思いが込められている。小西氏は、「旧態依然とした理美容業界に、一石を投じたいと思った。誰が儲かって、誰が損をしているのか……。理美容業界をコントロールする“Quarter Back”でもありたい」と語る。
QBハウスというビジネスモデルを思いついた理由を小西氏は、「行きつけのホテル内の理容室で髪を切ってもらっていたときに、タオルを取りに行ったり、ホウキを取りに行ったりと、ムダな時間が多いと感じた。このムダな時間のコストもわたしが支払っており、これを改善できないかと考えた」と話す。
「わたしは、理容師でも美容師でもなく、理美容店舗の経営をしたこともない、まったくの素人だったことが、この事業を思い付くことができた理由のひとつ。ちょうどIT活用が盛んになった時期でもあり、店舗であるQBハウスをネットワークするという位置づけで、会社名はキュービーネットにした」(小西氏)
キュービーネットを起業するにあたり考えたのは、まず広告宣伝費を一切かけないことや、店舗づくりにお金をかけないことなど。当初は1店舗あたり1000万円以内でオープンすることを目指した。また行列がお客様を呼んでくれると考え、いかに顧客を並ばせるかも重要だった。そのためには、「びっくりするくらいの値段も必要」(小西氏)だった。
小西氏は、「カットに特化すれば10分/1000円でできるのではないかと考えた」と話す。そこで、何をなくせば10分/1000円という金額を実現できるのかを徹底的に考えたという。そのためQBハウスには、電話もなければトイレもない。「ないないづくしがQBハウスのビジネスモデル」(小西氏)である。
もちろんレジを打つ時間ももったいないという理由から、各店舗には券売機が設置されている。小西氏は、「中途半端な金額にして、おつりが必要になると、レジを締めるときに必ず過不足が発生してしまう」と言う。券売機が故障したときのことも考え、券売機を2台設置し、1台が故障した場合、すぐにもう1台に切り替えられる工夫もしている。
こうした工夫は、理美容師にカットに集中してもらうにはどうすればよいか、考えた結果だ。小西氏は、「理美容師はカットに集中できるので、カットの腕はめきめき上達する。個人差はあるが、QBハウスで1年働くと、一般の理美容店で5年働いたくらいの腕前になる。カットに関しては、一般の理美容室で働く10倍の経験ができる」と話している。
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いやあ、この作品は前にも触れたと思うけど、すごかったです。死んだ脳から記憶された映像が抽出できるようになった近未来のSFミステリーだが、その設定を人間心理の奥まで使って、人間であること(人は記憶によってアイデンティティを持続している)の怖さを描き、本当に楽しませてくれた。




