レファレンスで大切なこと「誰」と「温度」ヘッドハンターの視点(1/2 ページ)

レファレンスはエグゼクティブ採用の重要な判断材料の1つで、候補者に対する興味レベルや評価に大きな影響を及ぼすことも少なくありません。

» 2011年07月29日 07時00分 公開
[岩本香織(G&Sグローバル・アドバイザーズ),ITmedia]

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 ほとんどのエグセクティブポジションへの転職ではレファレンスチェック(推薦文とは違います)が必要になるのは知っていますか?

 契約型のヘッドハンティング会社であれば基本的にレファレンスチェックはサービスの一部として含まれています。実際、レファレンスはエグゼクティブ採用の重要な判断材料の1つで、候補者に対する興味レベルや評価に大きな影響を及ぼすことも少なくありません。ただし、ヘッドハンティング会社のレファレンスチェックはあくまで「仕事ぶり」に関してのことで、興信所のような信用調査やプライベートに関する調査はしないし、できません。

 レジメをインフレ気味に書く傾向が高いと言われる地域などでは、学歴含め、記載内容が事実と反していないかを主な目的としてレファレンスチェックを実施するケースもあります。一般的に日本の場合は実態よりも控え目にレジメを書く人が多いため(これはこれで問題があります)内容の真偽を問うことにはさほど重点をおいていません。

 ごくまれに日本でもレジメ上で学歴や経歴を詐称する人はいますが隠し通せるものではありません。本人は小さいと思っている事でも、意図的な詐称が発覚した場合、レジメの他の部分もうそが含まれているかもしれない、仕事上でも自分を良く見せるために虚偽の報告をするかもしれない、信用できない人だから一緒に働けないと、なってしまいます。

 業界やポジションによって違いはあるかもしれませんが、IT業界では大学中退や高専卒で活躍している人はたくさんいます。上級管理職の採用でも大卒が絶対条件という案件にはお目にかかったことがありません。大学を卒業することや、大学院に行くことにももちろんプラス面は多々ありますが、エグゼクティブレベルの採用においては仕事での実績の方が重要視されます。

 40歳を過ぎてもレジメの一番のアピールポイントは学歴という人がいますが、仕事では充分な実績が出せずにいる人なのだろうと思われてしまいます。ある時、40代半ばの人に「小学5年生の時、全国模試で6位に入ったことが一番の自慢です」と真顔で言われ時には「面接ではそれはおっしゃらない方がいいと思います」とアドバイスせずにはいられませんでした。

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