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» 2011年08月26日 07時00分 UPDATE

人を信じても、仕事は信じるな!:【最終回】自らの背中を見せて社員を育てろ! (1/2)

できるだけ社員を同行させたほうがいい。社長がどんな人に会い、どんな話をしているのか、どこを見て、どのような判断をしているのかが分かる。現場でしか教えられないこともあるのだ。

[小山 昇,ITmedia]

お中元・お歳暮は社長自身が持っていく

koyamabook.jpg 人を信じても、仕事は信じるな!

 わたしはお客さまへのお中元・お歳暮は自分で持っていきます。これも社長が現場へ出て行く一環と言えます。いま現在、回る会社は200社くらいですが、10年ほど前には年間で450社を超えていました。お中元・お歳暮は宅配便で送るのが普通です。なぜお中元やお歳暮を贈るのでしょうか。一番の理由は日頃お世話になっている感謝の気持ちを伝えるためです。

 品物だけなら宅配便で送れますが、肝心の「感謝の気持ち」は送れません。そこでわたしは自分で持っていくのです。ごく当たり前の発想です。「お客さまを大切にします」と公言する会社はたくさんありますが、そんな当たり前のことができていないのが実情です。品物を送ることが目的になっていて、本当の意味を見失っている。社長自身がお中元・お歳暮を何百社も持っていくのは確かに大変です。しかし、やろうと思えば決してできないことではありません。

 事実、「実践経営塾」の会員企業の社長のなかにも、自分で持って行く人はいます。大阪市東淀川にドクターリセラという化粧品の卸をしている会社があります。商品をエステティックサロンや美容室などに売るという商売です。

 この会社の奥迫哲也社長も、わたしの話を聞いて、さっそく自分でお中元・お歳暮を持っていくようになりました。

 「さすがに最初は驚かれて、何か売りつけられるんじゃないかと警戒されましたよ」と奥迫社長は苦笑いをしていましたが、「その後は繰り返し会うことで情が生まれ、親しくなり、本音が聞けるようになりました」とも話してくれました。

 奥迫社長がお客さまのところへ行くと、「社長がお歳暮を直接持ってくるところなんて、一つもありませんよ」とよく言われるそうです。それもそのはずです。エステティックサロンや美容室の店舗に、化粧品の卸をしている会社の社長がわざわざやってくることなどまずあり得ない話です。たいていは担当営業が顔を出すだけです。その点、ドクターリセラは、年に2回必ず社長が顔を出すのですから、それだけでもライバルとの違いを示せます。

お客さまにえこひいきされることがビジネスの基本

 わたしはよく「社員は平等に扱うな、えこひいきしろ!」と言います。そもそもえこひいきされる社員というのは、何かしらの魅力や能力を持っています。それがあるからこそ、えこひいきされるわけです。それが見た目や性格だろうと、仕事上の能力だろうと、気に入られるというのは大きな武器です。

 もともと、会社というのはお客さまにエコひいきされることで成り立っています。ライバルが何社もいるなかで、自分のところをひいきしてくれるからこそ、売上げが上がるのです。どうしたら、お客さまにえこひいきされるのか。これを考えることはビジネスの基本です。

 ライバル会社と違い、社長が直接お中元・お歳暮を持っていくのも、お客さまにえこひいきされる要因の一つ。少なくとも「この会社は社長がわざわざ来てくれるのか」と思ってくれるし、社長の口から「何か問題があればいつでも言ってください。すぐに改善しますから」と言えば、相手に与える説得力が違います。

 社長が直接お歳暮やお中元を持っていく。やろうと思えば、誰にでも、すぐにできることです。

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