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» 2011年09月01日 07時00分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:できる人には秘訣がある (1/2)

真のエグゼクティブは個別のミッションの解決法を示すのではなく、本質的思考で仕事を語るべき。

[福井克明,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


評価は「スパイラルアップする」

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 わたしはこれまで多くのベンチャーに転職し、できるだけ平社員で入社して役員・本部長職まで出世するという経験を何度も繰り返してきました。そういう希有な経験があったからでしょうか、世の中で語られる「成果」の出し方や、「評価」の仕組みに少し違和感がありました。マネジメント層なら自身でも何となく感じたことがあると思うのですが、黙っていてもやりがいのある仕事、評価されやすい仕事が優先的に回され、実力以上に称賛され昇格したことや、ある時、それまでの努力が一気に評価され始めたというようなことがありませんか?

 そう、評価は「スパイラルアップする」というのがわたしの持論です。

 やりがいのある仕事を幾つか渡され、きちんと成果を出していくことで「できる人」としてのブランディングが形成され、評価されやすい重要な仕事が集中し始めることでルーティンワークの比率が下がり、自分の能力が出し切れる状態。これこそが、ビジネスパーソンの目指すべき環境であるのですが、決して能力で決まるものではありません。能力を出し切れる環境になれば、成果は能力で決するのが当然ですが、その環境を手に入れられないまま、ビジネス人生を送っている人も多いのが世の常です。

 成果の出せないビジネスパーソンには、能力を出し切れる環境を整えるまでに4つの障壁があります。それは、(1)成果を出せる人の「出せる理由」を誤解している、(2)そもそも仕事の分配は不公平である、(3)時間がない、(4)考え方及びやり方が分からない、という障壁です。この辺の事実を体系的にまとめた本が見当たらないので、1年がかりで講座として仕上げ、更に半年かけて文字でつづったものが、拙著『たちまち「できる人」になる秘伝の仕事術』です。

 ルーティンワークばかりを命じられる環境のビジネスパーソンに対し、誤解を解き、不公平の前提に立ち、時間を作り、思考法とやり方まで示し、多くの人が、スパイラルアップの入り口に立つところまでをサポートしたい、という思いで記しました。

 例えば、電話料金の請求書200枚をデータ化して経理部に提出する、という総務部のルーティンがあったとします。一般的に、成果の出せないビジネスパーソンは「納期を守ってミスなく」やります。そして、もっとやりがいのある仕事を任せてくれれば、俺だって成果を出すのに、と感じています。次々とルーティンワークばかりを与えられ、いずれ仕事への情熱すら薄れてきます。

 一方で命じている上司からすれば、単に「納期を守ってミスなく」やるだけでは、とても出世させてあげられない。数少ない重要なミッションを渡してあげる気にもならない、という当たり前の矛盾構造があります。この負のスパイラルから抜け出すためには、このルーティンの代表格のような仕事を始め、数々のルーティンワークを「素材」としてどう生かすかという視点が必要で、それは電話料金だったらどうするか、という個別具体的な指導では、解決できないのです。

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