「雇われ社長」のプロの仕事術――社長は4つのことだけやればよい!ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

成功した経営者が実行している無数の経営行動には共通点がある。企業を成功に導く4つの「繁栄の黄金律」とは。

» 2012年03月01日 08時00分 公開
[山田修,ITmedia]
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 三年前に実業を引退するまでに、わたしは6つの会社で社長を務めてきました。国籍の異なる外資が4社、日本の会社が2社ありました。1社当たり4年ほどの在任でした。

身の丈にあった「成長の方程式」がある

『「雇われ社長」のプロの仕事術―社長は4つのことだけやればよい!』(ぱる出版)

 幸い、いずれの会社でも業績が急伸長したり、急回復したわけです。業態や業界が全く異なる6社を、スカウトされて着任した「雇われ社長」として責任を果たしてきました。「その秘訣を」、ということでこのたび『「雇われ社長」のプロの仕事術―社長は4つのことだけやればよい!』(3月15日発刊)を上梓しました。

 同書ではわたしが実際に展開した「成功のための方程式」である「繁栄の黄金律」を軸に説明しました。わたしが経営してきた各社の規模が社員数でいえば数名から300名、年商でいうと数億円から300億円までだったので、この「繁栄の黄金律」はほとんど全ての会社に適応できる経営モデルだと思っています。

「繁栄の黄金律」には4つの要素

 経営者が実行している無数の経営行動を共通点に着目し要素として集約していくと、企業の成功のためには特に重要な4つの要素があるとわたしは考えました。その経営モデルを「繁栄の黄金律」と名付けました。そこでの重要要素とは次の4つのモノです。

1、成長戦略

2、組織効率

3、モチベーション

4、コミュニケーション

 1、「成長戦略」2、「組織効率」3、「モチベーション」の3つのそれぞれを掛け算マークで結びます。というのは、これら3つの要素の関係は、足し算ではないのです。どれか1つの要素が欠けても(ゼロだったら)、3つの掛け算の積はゼロとなってしまいます。1、から3、までは、3つともバランス良く充実させることによって初めてダイナミックな果実――業績の急伸長をもたらします。

 4、「コミュニケーション」が全ての基本だ!

 「繁栄の黄金律」を図示する時、わたしは1、2、3、を縦書きで横に並べて、その下に4、「コミュニケーション」を横書きで配します。つまり、「社内コミュニケーションの確保」が他の3つの経営行動の前提となる要素であり、3つが機能するための必要要素なわけです。

 1、「成長戦略」の立案

 「繁栄の黄金律」は、急成長や業績の急回復を求めるために最適な経営モデルです。そのためには、現時点の売上げから大きく伸びる、つまり急成長する戦略を設定する必要があります。

 そのためには全く新規の顧客を創り出すより、現在のお客さんを大切にしてもっと売り込む方がよほど大切で、しかも簡単に商売を延ばす近道です。既存の顧客を満足させるには、わたしは「不」の付く言葉を探せと言っています。“不”の付く言葉とは例えば次のようなものです。

 不便、不満、不足、不都合、不、不信、不可能、不良(品)、不利、不詳 不手際

 顧客や市場側で起こっているこれらの“不”がつく事態に気が付き、それらを軽減、解決できる「仕組み」を考えつくことが、売上げを大きく伸ばす決め手となります。そんなことを地道に考え実行すればよいのです。

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