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» 2012年05月31日 08時00分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:うまい世間話は仕事を呼び込む (1/2)

仕事で付き合う人を選ぶ際、世間話からその人を見極めるという。いかに興味深い情報を提供してくれるかが判断材料に。

[高城 幸司,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


 あなたは仕事で世間話をしますか? 「まったくしない」のも問題ですが、長すぎるのも逆効果です。例えば、打ち合わせで「世間話で30分も盛り上がってしまった」と自慢する人。そんなことがあってもいいのでしょうか? 時間が無限にあればいいのですが、限られています。

 あくまで仕事の世間話には目的=狙いが必要。その狙いに向かって戦略的に行われることがベストです。(まったく脱線するなとは言いません)そもそも世間話の役割は仕事の「本題」をスムーズに行うためのつなぎ役。

takagibook.jpg 「仕事の9割は世間話」

 ところが世間話を「雑談」や「無駄話」と捉える人が少なくありません。しかし、それは大きな誤解。「雑」で「無駄」な話をすればいいというものではありません。

 世間話には、大きく3つの狙いがあります。1つめは、「自分の話を聞いてもらう場を作ること」です。相手に、自分の話を聞きたいと思わせることが必要なのです。その際、目指すべきなのは「信頼感(ラポール)の構築」です。

 2つめは、「本心を聞き出すこと」です。自分や自社の商品、サービス、あるいは他社の商品を含めて日常的な不満でもいいのですが、要望や文句、悩みなどを聞き取るためには、真正面から「何か要望はありませんか?」と尋ねる以外のアプローチが必要となります。

 3つめは「トスアップ」本題の重要性を認識させることです。営業におけるトスアップとは、有力顧客の社内紹介を指すこともありますが、バレーボールのセッターのように、世間話を通じてトスを上げ、お客さま自身に「本題のテーマ」をアタック(認識)してもらう場合にも使います。

 人との会話の中で脱線してしまうことはありますし、それを全て禁ずるのも愚かです。しかし多忙なビジネスパーソンの世間話は、すべからく上記3つの狙いがどこかに含まれていると考えてよく、受け手の側にも理解する感受性、センスが求められます。そして、無事に仕事の本題にバトンタッチされたら、世間話はお役御免となるわけです。

 ただし、難しいのが世間話で持ち出す話題を何にするか? お客さんと話が盛り上がって「いい感じ」と思ったのに、まるで仕事に結びつかない話題を選定するのはNG。あるいは会話に酔って自分を見失い「下世話な話ばかりする人」と思われるのも避けたいもの。世間話は、あくまでも狙いに沿って戦略的に行うもの。冷静にコントロールすることを心がけて下さい。

 さて、知人で「世間話」が大好きな人がいます。打ち合わせに訪問すると、2時間近く付き合わされることもあります。とにかく博識で、おいしい飲食店情報から映画、旅行、文学と趣味も多彩。マイブームを題材に、訪ねてきた人と世間話をするのです。

 「最近の日本映画、まずい方向に向かっていると思わないか?」

 深夜の居酒屋でなく、昼間の応接でお茶一杯のお付き合い。さらに困るのは、仕事との関係性が見えないのです。聞き上手な営業をみつけたらトコトン話を続けます。

 あるときオフィスを訪ねたら、他社の営業に語っている最中でした。聞き手からは「早く解放してくれ」という態度がありあり。発注する側なのでハッキリ断れないのでしょうが、こういう世間話の使い方はいかがなものかと思わされる出来事でした。

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