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» 2017年06月29日 07時29分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:成長し続ける会社のリーダーが身に付けている「経営改革力」 (1/2)

課題に直面した経営者やリーダーの対応は大きく2つに分かれ、しかも課題が困難であればあるほど、対応の違いは顕著になりがちだ。その違いとは?

[奥村亮祐,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


 これまでに経営コンサルタントとして、さまざまな会社の改革に関わってきました。一流企業を超一流企業にしたり、今にも倒産しそうな企業を再生したりすることもありました。どんな局面においてもキーワードは「経営改革を通じた成長」です。

 中堅中小企業から大企業まで、さまざまな改革に関与してきた経験を基に、経営改革に必要なことを話します。

経営者・リーダーの悩みを解決するために必要な経営改革力

『中堅中小企業の経営改革〜成長し続ける会社が実践している3つのこと〜』

 私の経験上、課題に直面した経営者やリーダーの対応は大きく2つに分かれます。しかも課題が困難であればあるほど、対応の違いは顕著になりがちです。

  • 課題に対して本気で立ち向かい、なんとかしようとする
  • 表向きは解決すべきと言いながらも、実際には手を打てずに立ち往生してしまう

 会社を成長に導くのは当然前者で、こうした経営者やリーダーの特徴を深く掘っていくと、共通して身に付いている力があります。それは、その場限りの小手先の打ち手ではなく、経営レベルで事態を改革していく力、言うなれば「経営改革力」です。

 著書『中堅中小企業の経営改革〜成長し続ける会社が実践している3つのこと〜』では、経営改革を実現して会社を成長させるために必要な3つのことを体系化しました。3つとは「経営における正しい考え方」「盤石な経営の土台作り(経営の仕組みと企業文化)」「盤石な土台の上にある戦略や機能」のことで、いつの時代も変わらず大切なポイントです。世の中には新旧さまざまな考え方や手法がありますが、伸びている会社はこれらを意識的あるいは無意識的に実践しています。会社規模が大きくなった時やつまずいた時に、上記3つを実践し続けられるかどうかが「成長の再現性」の分岐点となるでしょう。

 本書では経営全体をカバーしていますが、今回は「盤石な土台の上にある戦略や機能」の例として、どの企業でも悩みが尽きない「マーケティングと営業」そして「在庫最適化」に触れます。

マーケティングと営業の本質的な違い

 全ての会社で、重要な部署となるマーケティングと営業。ただこの2つは混合されていることが多く、その本質は意外と忘れられがちと感じています。私が考える違いを一言でいうと、マーケティングは「全面否定」、営業は「全面肯定」。この違いを理解することが改革の第一歩です。

 マーケティングの仕事は、今売れているモノであっても明日売れる保証はないことを想定し、今どんな手を打つかを考えることがミッションです。「売れるかどうか」というのは本当に奥が深く、何かの条件が変わるとポンと売れるようになります。もちろんその逆もしばしば見られ、何かの拍子にガクンと売れなくなってしまいます。

 実際に小売店の販売データを日々見ていると、「ある日までは売れていたのに、日が変わると急に売れなくなったシーン」に出くわします。トレンドの変化が激しい今の時代だからこそ「明日も売れるだろう」が前提ではなく、「明日には売れなくなるかもしれない」という「全面否定」の考えがマーケティングには必要です。

 一方で「全面肯定」の営業の仕事は、悪い点があったとしても、顧客に良い点をアピールすることです。今の商品やサービスに欠点はあるかもしれませんが、それでも顧客に良いところをどれだけ訴求できるかが勝負です。会社としては完璧な商品やサービスを目指すべきですが、世の中に完璧は存在しません。

 加えてライバルも本気で勝負に来ているので、一時は完璧に近いものができたとしてもすぐに状況は変わってしまいます。そんな時でも営業は全面肯定を貫き、多少欠点があろうといいところをアピールするなり、欠点の影響が小さいマーケットに行くなり、考え方次第で営業活動の選択肢は広がります。顧客が重視することはさまざまですから、仮に価格で負けていたとしても品質や納期面でカバーすることは十分可能でしょう。

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