婚活業界の常識を覆し、マッチングサービスを世の中の当たり前にする!「ゼクシィなび」が挑戦する婚活事業の全貌経営トップに聞く、顧客マネジメントの極意(1/2 ページ)

業界の常識を覆す取り組みによって「恥ずかしい」「怪しい」「高い」という従来のイメージを変え、新たな層のユーザーを獲得した。急成長を支える取組みについて、代表取締役社長の貝瀬雄一氏に話を聞いた。

» 2017年10月04日 07時01分 公開

 インターネット・アプリ・カウンター・パーティーの4業態をもつ総合婚活サービスを展開する「ゼクシィなび」。2014年に婚活事業をスタートしてから約3年が過ぎ、婚活業界を取り巻く環境、世間のイメージが変わりつつある。ゼクシィなびは、業界の常識を覆すあらゆる取り組みによって「恥ずかしい」「怪しい」「高い」という従来の婚活へのイメージを払拭(ふっしょく)し、新たな層のユーザーを獲得した。急成長を支える取組みについて、代表取締役社長の貝瀬雄一氏に話を聞いた。

「結婚」を増やすことをミッションに、婚活事業に参入

井上 ゼクシィなびの事業内容について教えてください。

ゼクシィなび 代表取締役社長 貝瀬雄一氏

貝瀬 ネット領域では、「ゼクシィ恋結び」と「ゼクシィ縁結び」という2つのサービスを提供しています。いわゆる従来の結婚相談所の事業としては、「ゼクシィ縁結びカウンター」を展開しています。その他、マッチングイベントの事業として、「ゼクシィ縁結びパーティー」を運営しています。

井上 いつごろ婚活事業を始めたのですか?

貝瀬 2014年の12月にゼクシィ恋結びのアプリをリリースし、2015年2月〜5月にゼクシィ縁結びのネット、ゼクシィ縁結びカウンター、ゼクシィ縁結びパーティをスタートさせました。

井上 今の婚活業界をとりまく状況や、抱えている問題点についてどのように考えていますか。

貝瀬 2014年のスタート当初から私たちが課題と感じているのは、結婚する人がどんどん減っているということです。2000年の段階で、男性約13%、女性で約6%だった生涯未婚率が、2010年の段階で、男性が約20%、女性が約11%にまで上昇したという調査結果が出ています。2010年当時の予測では、2030年には男性約28%、女性約19%にまでさらに上昇するといわれていたのですが、2015年段階の調査ですでに男性の生涯未婚率は約23%にまで上昇する事態になっています。生涯未婚率の統計では、50歳のときに一度も結婚をしていない人の割合を示します。今の日本では、50歳時点で4人に1人が一度も結婚をしたことがないのです。

 私たちは結婚そのものを増やすということをミッションに掲げ、ゼクシィが始める婚活事業という形で「ゼクシィ縁結び」と「ゼクシィ恋結び」を開始しました。

井上 ゼクシィなびが婚活事業に参入後、数年がたち、世の中の婚活に対するイメージに変化は見られますか。

貝瀬 私たちは「HAT(ハット)」と呼んでいるのですが、調査などを実施した結果、婚活には「恥ずかしい」「怪しい」「高い」という固定的イメージがユーザー内でありました。こういった間違ったイメージを払拭することで、マッチングサービスそのものを当たり前のサービスとしていきたいというのが立ち上げ当時に掲げたビジョンでした。今後もさらなるイメージ改善のプロモーションが必要だと考えています。

 スタートから約2年半がたち、世の中の婚活に対するイメージはだいぶ変わりました。ネットやマッチングアプリが当たり前になり、結婚相談所の業界にも、私たちのような新しいプレイヤーが増えました。2013年の段階では、婚活サービスを通じて結婚する人は4.7%しかいなかったのですが、2016年には11.3%にまで上昇しました。

夫婦7000組の調査結果を基に作り上げた価値観マッチング診断

井上 「ゼクシィ恋結び」と「ゼクシィ縁結び」の違いは何でしょうか?

貝瀬 ゼクシィ恋結びは、「恋活領域」と呼ばれている彼氏や彼女を探すマッチングサービスです。ユーザーの約7割が20代で、現在活動中が30万人。男女比率は65対35くらいで男性が多いです。

 ゼクシィ縁結びは、結婚相手を探している人向けのサービスです。ユーザーの割合としては、20代が約4割、30代が約5割で、年齢層は27歳〜35歳くらいが中心となっています。縁結びはユーザーが約20万人で、男女比は半々くらいです。

 結婚を増やすことがゼクシィの目的ですが、婚活事業だけではなく、いわゆる恋活といわれる事業も平行して運営することが重要だと考えています。結婚までの距離感が違うだけで、どちらも結婚につながっているということに変わりはないからです。

井上 ゼクシィ縁結びの特徴を教えてください。

貝瀬 会員になるときに、「価値観マッチング」という診断を受けてもらいます。18問の簡単な設問に答えてもらい、その人のタイプを診断します。タイプによってマッチングを実施します。

 「お見合い調整代行サービス」という仕組みも特徴的です。マッチングを経て、実際に会うとき、コールセンターがお見合いの場所と日程の調整を代行するものです。そうすることによって、個人情報を相手に伝えなくても会うことが可能になります。

井上 「価値観マッチング」というのは、どういった仕組みになっているのですか?

貝瀬 ゼクシィを通じて結婚をした7000組を対象に調査を行い、「幸せだ」と答えた人に共通している要素を分析し、マッチングのポイントを抽出して作ったのが価値観マッチングです。休日の過ごし方、友達の数が少ないか多いか、人が困っていたら放っておけないタイプかといった18の設問を用意しています。

利用料金の安さで、さらに気軽に利用できる

井上 年収などの条件面ではなく、価値観に重点を置いてマッチングしているのですね。「ゼクシィ縁結びカウンター」についても、特徴を教えてください。

貝瀬 ゼクシィ縁結びカウンターは、新しい形のマッチングエージェントです。入会すると、ネット上で約1万7000人の会員の中から検索ができます。お互いにお見合いを希望し、マッチングすると、実際に会うことができます。加えて、一人一人にマッチングコーディネーターが付き、検索とは別に、1カ月に6人の紹介を行うプランもあります。他薦と自薦を組み合わせた形のサービスになっています。他の結婚相談所と違い、女性のうちの約25%、4人に1人は20代です。37歳以下が7割以上を占めています。

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