連載
» 2017年11月16日 07時05分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:部下を伸ばす「デキる上司」の7つの新常識! (1/2)

成長市場から成熟市場へとビジネスが変わった今、複雑化した顧客ニーズに対応する部下のマネジメント方法もまた、これまでと同じでは通用しない。

[河村庸子,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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生産性向上は、部下の内側で起きる

『生産性マネジャーの教科書』

 成長市場から成熟市場へとビジネスが変わった今、複雑化した顧客ニーズに対応する部下のマネジメント方法もまた、これまでと同じでは通用しません。物が売れない時代、顧客は決断できずに悩んでいます。部下は、今まで以上に顧客と深い「関係性」を築き、「対話」を通じて顧客の課題を把握し、顧客の納得する解決案を発見し実行することが、求められています。

 このように自律的に活動する部下のモチベーションを上げ、効率的に成果を引き出すマネジャーを、本書では「生産性マネジャー」と呼びます。生産性マネジャーは、組織の人間関係を深め、部下の「思考の質」を上げることで結果を出す。効果的な「思考のフレームワーク」でモチベーションを上げる。というアプローチで部下の生産性を向上させます。

組織の人間関係を深め、部下の「思考の質」を上げることで結果を出す

 成長モードの市場では、マネジャーは「立場力」を使って自分が判断した正解を部下に指示し、部下同士を競争させることで効率的に結果を手に入れることがあります。競争は行動にドライブを掛けますが、組織の人間関係には「緊張」や「対立」が生まれます。マネジャーが命令すればするほど、部下の思考は「受け身」で「後ろ向き」になり、そこから生まれる行動は「消極的」で「自分最適」なものになりがちです。結果が出にくい組織風土を作ります。

 一方、成熟モードへと移行した市場では、マネジャーは「個人力」を培った生産性マネジャーに変化することが求められます。生産性マネジャーは、部下との人間関係を深めることで、「信頼」をベースとした「協力」的な組織風土を作ります。この関係性は、部下の思考に「当事者意識」や「アイデア」を生み出します。部下は「自発的」に行動し、難易度の高いことに「挑戦」するようになり、自然に結果を出します。

効果的な「思考のフレームワーク」でモチベーションを上げる

 私たちが1度に「意識」できる事柄は限られています。そのため、漠然としたテーマを1度に思考することは苦手で、問題解決など複雑なことを処理する時は、何にどの順番で思考をフォーカスするのかという「思考のフレームワーク」を使っています。

 この「思考のフレームワーク」は、例えば何か問題が発生した時に、マネジャーが無意識に「問題にフォーカス」するフレームワークを使うのか、意識的に「理想にフォーカス」するフレームワークを使うのかで、組織のモチベーションと解決のスピードは大きく左右されます。

 問題にフォーカスした場合、「なぜ起きた? 誰が悪いのか?」と責任を追及する雰囲気が組織にまん延します。しかし、問題の原因は複雑に絡み合っていることが多く、真の原因は時間を掛けてもなかなか突き止められません。しかも、上司に「なぜ?」と聞かれると、部下は自分が責められたと感じ、萎縮し、言い訳しようという思考が働きます。

 一方、理想にフォーカスした場合、「誰ができているの? 望ましい状態とは?」と理想の状態を確認し、そこに焦点を絞って実行アイデアを考えます。すると「何が可能? どうやって解決する?」というように何ができるのか、前向きな議論になります。理想のゴールに向けた議論は単純です。部下のモチベーションが上がるだけでなく、解決に至る道のりが効率的です。

現代のマネジャーに求められる7つの「逆転の発想」

 本書では、成長市場では常識だったかもしれないけれど、現代のマネジャーに発想の転換を迫る「目標管理」や「部下支援」など、よくあるマネジメント現場に焦点を当て、次の7つの「逆転の発想」を紹介しています。

(1)自己評価の申告前にすべては終わっている

 期末の評価の自己申告で、部下は「自分は5点満点だと思います」と主張しても、上司は「そうかな。そこまでは高くないだろう。3点ぐらいじゃないか」ともめたことはありませんか? この段階でいくら話し合っても、既に出た結果がよくなるわけでも、部下のやる気が出るわけでもありません。自己評価の申告でもめたのでは遅すぎます。もっと手前で、部下に結果とやる気を出してもらう対応をとることが肝心です。

(2)分かりやすい数値目標を設定するな

 多くの企業が、人事評価が曖昧にならないように、「数値目標」の設定を奨励しています。しかし、数値目標を設定すると、その「数値」を達成するための短期的な視点に目が向き、目標の先にある「目的」に向けた長期的な視点が不足しがちです。本質的な活動を促すためには「定性目標」が向いています。

(3)目標設定シートには文章を書かない

 部下が目標を達成した時のシーンを具体的にイメージできるほど、達成までの道筋、達成に必要なリソース、達成を阻むかもしれない障害が明確になります。目標達成のイメージは、目標設定シートに書かれた文章に限らず、絵や写真、映像など、五感で体感でき心に響くものであれば、目標を実際に達成させる力があります。

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