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» 2017年12月20日 07時23分 公開

経営トップに聞く、顧客マネジメントの極意:ナムコの燃える組織の作り方。「この店で働きたい!」という店作りが顧客満足度アップにつながる (1/2)

「遊びを通じて、お客さまを幸せにします」という理念を掲げ、アミューズメント施設を全国に約220店舗を展開。時代が変わっても、人々を楽しませる遊び場を生み出し続ける秘訣は。

[聞き手:井上敬一、文:牧田真富果,ITmedia]

 1955年から60年以上にわたり施設事業を行い、新たな遊び場を生み出し続けているナムコ。「遊びを通じて、お客さまを幸せにします」という理念を掲げ、アミューズメント施設を全国に約220店舗を展開している。従来、普及しているゲームセンターだけではなく、インドアプレイグラウンドやテーマパークを企画、運営。アニメやゲームなどの人気コンテンツを取り入れたオリジナル商品やアトラクションを展開し、人気を博している。時代が変わっても、人々を楽しませる遊び場を生み出し続ける秘訣(ひけつ)についてナムコ取締役の岩屋口治夫氏に話を聞いた。

ゲームセンターから飲食店まで幅広い遊び場を創出

ナムコ取締役 岩屋口治夫氏

井上 ゲームセンター、ボーリング場、カフェ、テーマパークなどいろいろな施設事業があるかと思いますが、改めて事業内容について教えてください。

岩屋口 主力はゲームセンターです。ショッピングセンター内に多く出店していますが、駅前やロードサイドにも出店しています。ファッションビルにキャラクター物販店とクレーンゲームを付随した業態も約20店舗を展開しています。

井上 他にもオリジナリティーの高い施設の企画もされていますね。

岩屋口 アミューズメント施設自体が常に変化していかなければお客さまに飽きられます。昔はメーカーが作ったものをセレクトしてゲームセンターに並べていたのですが、今は自分たちでコンテンツ開発をしています。

井上 具体的にはどんな施設、コンテンツがあるのですか。

岩屋口 池袋の「ナンジャタウン」「J-WORLD TOKYO」、謎解き脱出ゲームが楽しめる「なぞともカフェ」などもナムコが企画、運営しています。「浅草花やしき」の運営は子会社が行っています。

 ゲームセンター内のコンテンツとして、アスレチックや砂場などがあるインドアプレイグラウンドの「あそびパーク」という施設もあります。

 アニソン好きが集まるキャラクターラウンジとして「アニON STATION(アニオン ステーション)」というお店も作りました。キャラクターとのコラボフードなどを提供しています。

 ゲームセンターの中のコーヒーショップ「キーズカフェ」、クレープ店「MOMI&TOY'S(モミアンドトイズ)」、タピオカドリンクのお店「CUP&CUPS(カップ&カップス)」のFC展開も行っています。

 最近、この「CUP&CUPS(カップ&カップス)」と「namcoキャラポップストア」をセットにした店舗を阪急電鉄塚口駅(兵庫県尼崎市)の梅田方面行きホームにオープンさせました。

井上 こんなに幅広く施設の企画、運営を行っているとは知りませんでした。

岩屋口 ナムコは、1955年にデパートの屋上遊園地から創業した会社です。創業事業として、創業以来ずっと施設事業を続けてきました。2005年にバンダイとナムコが経営を統合し、ゲームを作る機能はバンダイナムコエンターテイメントに統合され、ナムコは施設運営に特化した会社となっています。

 ショッピングセンター内の出店が多く、ファミリー層のお客さまへ向けたコンテンツを品ぞろえ豊富に開発しています。

真のリピーターを増やすことが施設事業成功のカギ

井上 どのようにして新しいものを生み出し、常にお客さまをワクワクドキドキさせているのですか。

岩屋口 最初は「思い付き」です。どんなにお客さまに聞いても、ニーズは出てきません。お客さまの一歩でも二歩でも先を行き、提案することで初めてニーズが生まれます。昔からナムコでは自分たちのことを「超発想集団」と言ってきました。ナムコのDNAとして今でも根付いているのです。

 取りあえず小規模でやってみて、駄目だったら修正を加えるという姿勢で新たなものを作り出しています。最初からフルスペックで作ってしまうと、撤退するときが大変です。

井上 お客さまの発想にないものを提案し続けているからこそ、飽きさせることがないのですね。

うまくいかなかった企画もあるのですか。

岩屋口 たくさんあります。以前、調べてみたら30以上ありました。インターネットカフェやシニア向けの本格的な工房、スーパー銭湯などいろいろとあります。

井上 うまくいかなかった理由は何でしょうか?

岩屋口 企画をする人間と運営をする人間が別になると、最初の思いが継承されないので、失敗することが多くなります。運営だけをする人間は効率化を求め、必要な投資などをしなくなり、うまくいかなくなることがあります。そういった失敗例があるので、現在は事業が軌道に乗るまで担当者は変えないよう指示しています。

 施設運営において、お客さまを増やすためには、新しいお客さまではなく、リピーターを増やすことを目指していかなければなりません。企画者やお店を愛する人間がいないと、リピーターの獲得にはつながりません。

井上 「浅草花やしき」など、長く続いているテーマパークにはリピーターがたくさんいますよね。

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