「読書会」と聞くと、1つの場所で静かに本を読み、読み終わったら意見交換をするというイメージがある。しかし、Read For Actionメソッドを活用した「読書会」では、事前に書籍を読むことなく、読書会に書籍を持ち込み、参加者同士でディスカッションや対話を重ねながら、書籍の内容を理解する。
ITmedia エグゼクティブ勉強会に、Initiative&Solutions.Inc社の代表取締役で、組織・人財開発コンサルタント 渡邉信光氏が登場。
ハーバード・ビジネス・スクール教授であるクレイトン・M・クリステンセン氏の著書『ジョブ理論 〜イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム〜』をテキストに、「Read For Action」メソッドを活用した「読書会」ワークショップを開催した。
参加者はさまざまな業種や部署のエグゼクティブ層約30人で、5グループに分かれて約3時間の読書会を行った。
Read For Actionは、日本最大級の“行動するための読書会”ネットワークである。「読書会」といえば、テーマに沿った書籍を事前に読み、参加者が読書会の場で意見や感想を語り合う会をイメージする。しかし、Read For Actionは、事前に書籍を読むことなしに会場に持ち込み、読書会の企画・進行役であるリーディング・ファシリテーターを中心に、参加者が読書会の場で書籍のエッセンスをつかみ、コミュニケーションを取りながら、内容の理解を深める場である。
現在、認定資格を取得しているリーディング・ファシリテーターは、全国で390人以上(2017年5月現在)、年間の読書会開催数は、1300回以上。年間参加者数は、1万2000人を超えるという(2016年実績)。渡邉氏もリーディング・ファシリテーターの認定資格を取得しており、専門分野である企業向けの組織開発系ワークショップなどで、Read For Actionメソッドを活用している。
ちなみに、2015年に渡邉氏が登場したITmedia エグゼクティブ勉強会では、LEGOブロックを活用してビジョンを共有し、共感コミュニケーションを醸成する新手法「LEGOシリアス・プレイメソッド」のワークショップが開催されている。
(参考)ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート:大人が夢中のブロックによる作品で想いを共有
今回の読書会に活用した書籍『ジョブ理論』は、「顧客は単に商品を購入しているのではなく、現在抱えている“ジョブ”を、商品を“雇用”することで片付けるため」という最新のイノベーション理論。書籍では、「ミルクセーキを購入するのはおいしいからではなく、通勤時間のひまつぶしという“ジョブ”を片付けるためにミルクセーキを購入(雇用)する」と紹介されている。“ジョブ”とは、ある特定の状況で、顧客が追い求める進歩(ブログレス)であると、著者のクレイトン・クリステンセン氏はは定義している。
クリステンセン氏は、著書『イノベーションのジレンマ』で、破壊的イノベーションの理論を提唱して一躍有名になった。渡邉氏は、「ハーバード・ビジネスレビュー誌の2017年3月号にも、“顧客は何にお金を使うのか”というレポートが掲載されているので、興味があれば読んでみてほしい」と話す。
読書会ワークショップは、4〜6人のチームで実施。まずは、お互いに、名前、参加目的、最近感動したことなど、1人1分程度の自己紹介で場を温める。テーブルには、模造紙と付箋紙、赤・黒のペンが用意され、ワークショップの成果を付箋紙に記入して、模造紙に貼っていく。この作業プロセスを通じて、最終的には書籍の中身、著者の主張を理解することができる。
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明治学院大学 経済学部准教授