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» 2019年01月10日 07時09分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:しらけ、後ろ向き、仲が悪いetc. 問題社員へのマネジメント5つのQ&A (1/2)

経営者や管理職が日頃悩んでいる問題社員へのマネジメント課題のいくつかを、Q&A方式で考えてみた。

[前川孝雄,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』

 「人材不足で人が集まらない」「せっかく採用した若手がすぐに辞めてしまう」「部下たちにやる気が感じられない」……今、多くの企業が直面する人材確保や育成の課題は切実です。どうすれば優秀な人を採用し、育て上げ、強い組織が作れるのか。この課題に正面から応えようと、この度刊行したのが拙著『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)です。

 本書の内容を一部紹介しながら、経営者や管理職の皆さんが日頃悩んでいる問題社員へのマネジメント課題のいくつかを、Q&A方式で考えてみましょう。

Q1:若い社員に「夢や、やりたいこと」を聞いても、全く出てきません

A1:むしろ会社の理念やビジョンを浸透させるチャンスです

 心のなかをよく探ってみれば、「夢や、やりたいこと」が何一つ見つからない人は多くないはずです。ただ、普段は日々の仕事に流され、深く考えず言語化されていないのでしょう。

 そこで、最初は仕事、プライベートを問わず、「夢や、やりたいこと」につながる本人の思いを引き出す工夫をしてみましょう。「お金と時間に制約がなければ何がしたい?」「もし今の仕事が一段落したら、次に何をしたい?」「何をやっている時が楽しい?」「自分が一番輝いているといわれるのは何をしているとき?」といった前向きかつオープンな質問をタイミングよく投げかければ、何らかのヒントは出てくるはずです。

 また、上司と部下が車座になり、ともに「夢や、やりたいこと」を語り合う場をつくるのもいいでしょう。そこで出た各自の思いと会社の経営理念や組織ビジョンをつなぐことができれば、理念やビジョンをしっかり浸透させるチャンスにもなります。今の若者たちは意外と社会貢献欲求を抱いていることが多く、話を聴く中でそうした理想や思いに触れる場合もあるのです。

Q2:組織改革を検討中ですが、中間管理職が一般社員と変わらない意識で不満ばかり並べます

A2:まずは管理職への権限委譲を断行しましょう

 組織改革を進める上で中間管理職はキーになる存在ですから、経営者や部門責任者などリーダーと気持ちを一つにして改革をリードしてくれなければ成功は望めません。その中間管理職が一般社員と同じレベルの意識に陥る大きな要因の一つは「任されていないこと」です。上からの管理や命令で「やらされ感」がまん延している場合、原因はリーダー自身にあるのです。

 そこで、まず必要なのが権限委譲です。リーダーは中間管理職と経営理念や組織ビジョンを共有しつつも、現場のことは管理職に大胆に任せましょう。権限と責任はセットであり、権限委譲があってはじめて中間管理職もリーダーの立場を理解することができるのです。「自分が指示しなければ管理職が動けない」と言う経営者がいますが、中間管理職が自律的でない組織では社員の自律性も育ちません。「任せられない」経営者などリーダー側の意識改革こそが第一の課題なのです。

 そして、権限を委譲したら1年程度は中間管理職に「自分で決める」機会を与えてください。その上で、改革の成果が上がらなければ、本人の適性を考えてプレーヤーに専念してもらう選択肢もあるでしょう。

Q3:朝礼を実施していますが、社員が明らかにイヤイヤ参加しており空気が悪いのです

A3:「社員が主役」の朝礼へとシフトチェンジしましょう

 朝礼は、経営者や管理職と社員、あるいは社員同士の相互理解を図るためにも、また朝から声を出し体を動かすことで1日を気持ちよくスタートするためにも、実施する意味があります。しかし、経営者や管理職が延々と一方的に訓示を話すような朝礼では社員にとっては苦痛ですし、いくら思いを込めても「やらされ感」が生まれては台無しです。

 そこで、改善のポイントは「社員を主役にする」ことです。それも、社内的には地位やパワーが低い若手や派遣、パート社員などに発言の機会をつくるのです。例えば、現場で印象に残ったお客さまの言葉やうれしかったことなどを共有する場にすることで、一方通行で退屈だった朝礼が、全員が主体的に参加できる楽しい場に変わる場合があります。朝礼の進行にあたり、誰もが気軽に発言でき、笑いがいくつも起きるような仕掛け、雰囲気作りに努めてください。

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