日本はセキュリティ原理主義に走り過ぎか!?新しいリスクマネジメントとは(2/2 ページ)

» 2007年11月16日 07時00分 公開
[富永康信(ロビンソン),ITmedia]
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 大切なのは、全社を俯瞰すること。ガバナンスと一体化し、特定のリスクに偏らないバランス意識が不可欠となる。また、リスクはビジネスオーナー自らが判断することが重要である。メリットを得るものがリスクをとる事が重要だからだ。その際に、リスク評価が重要となるが、リスク評価はあくまでも手段であり、意思決定という目的の判断材料に過ぎないことを忘れてはならない。どのようなリスク対策を選択するかは、優先度の高いリスクに対策のための資源を集中し、やりすぎの対策は簡略化させることが必要だ。

 さらに、リスクの大きさとコントロールの強さに応じた継続的なモニタリングと改善が必要となる。まず、コントロールができてからモニタリングをすることが重要だという。

 「ビジネスチャンスとリスクは光と陰。それらは切り離せないものとして認識し、ビジネスの成功のためにいかにリスクと付き合うかを考えることが大切」と話す丸山氏。ポストJ-SOXをにらみ、今後日本でもリスク・インテリジェンスを活用した「賢い」リスクマネジメントの取り組みが始まってくることは間違いないだろう。

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